Short 1
□誓いのキス
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『あのね…この前…あっ!』
途中で言葉を止めて何故か俺の唇に希の唇が触れた。
「希…?」
状況がつかめない俺に希は嬉しそうに笑みを浮かべる。
『テレビでやってたの。
ここの観覧車の頂上でキスをするとずっと一緒にいられるって。
だから俺、怖いけど、樹とずっといたいからどうしても乗りたくて…ふぇ…』
俺に言ったことで緊張の糸がほどけたのか、希の涙が一気に溢れ出した。
「希、俺のためにありがとな。
俺はずっと希が好きだし、それはこれから先もずっと変わらないよ。
ほんと、可愛いことしてくれちゃって///」
そもそも、俺が希を好きすぎて離れられないってことを希は分かってるのだろうか…。
「希…?」
今度は俺から唇を重ねる。
いつもより希が俺とのキスを求めてくれるのが嬉しくて、何度も繰り返すうちに、このまま希を抱いてしまいたくなる。
『いつ、き……んっ……ずっと…一緒?』
「もちろん、ずっと一緒だよ」
希があまりにも嬉しそうな顔をするから、俺は残っている理性を総動員して欲望を抑えこむ。
俺たちの誓のキスは、希の涙の味がした。
END
→あとがき