Short 1
□ある日の朝
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咲(サク)×悠(ハルカ)
『んん・・・』
うっすらと眠い瞳を開けると隣には綺麗な顔で眠る咲がいる。
昨夜も明け方頃まで咲に揺さぶられ続けて、気付かないうちに堕ちていた。
布団から上半身だけ起こすと思いの外寒くて、身体がわずかに震える。
「俺の、着とけ」
咲の声がして隣を見れば、昨日俺が脱がせたYシャツを差し出している。
『ごめん。起こした?』
咲からYシャツを受け取って羽織る。
「いや、ずっと悠の寝顔見てた」
びっくりすることを、さも当たり前のように言った咲。
寝顔を見られるのは何度経験しても恥ずかしい。
『起きてたなら起こしてくれればよかったのに』
そう行って欠伸が出そうになり手を口元に持っていった。
『やっぱり咲のは袖とか肩幅とかでかいな。
ちょっと悔しい』
袖口は手首どころか指先が少し覗くくらいまですっぽりと覆われていて、撫で肩のせいでYシャツの前を押さえておかないと、肩が落ちて脱げてしまいそう。
「悠、かわいいよ」
あまりにも咲が嬉しそうに言うから、咲のそばにいられるなら華奢な身体でもいいかな、なんて思える。
「もう一回、しよっか」
そう言った咲に再び布団の中に引きずり込まれた。
END
→あとがき