Short 2
□今日の夜ご飯
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咲(サク)×悠(ハルカ)
『ねぇ、今日の夜ご飯何食べたい?』
大学の講義が終わって、スーパーに寄って夜ご飯の調達。
いつも何も考えないでくるから今日も相変わらずの決まり文句を咲に問うた。
「悠が作ってくれるならなんでもいいよぉー」
返ってくるのもいつもと同じ返事。
多少語尾がのびたくらい。
『それが一番悩むんだよなぁ』
カゴの中は空っぽ。
本当にまだ何も決まってない。
どうしようかな、なんて食材を眺めながら考えていたら、「あっ、」と声をあげる咲。
『何か食べたいの決まった?』
にやにやと嫌な笑みを浮かべる咲。
「悩まなくてもあるよ、食べたいもの」
聞かなくてもだいたい想像はつくが、認めたくない。
「悠が食べたい」
不自然なほど耳元に唇を寄せ囁かれる。
『ご飯だってば!』
俺は真っ赤になってしまったことを誤魔化すように急ぎ足で咲から離れた。
「ごめんって。真面目に考えるよ」
なんて、後ろからの声を聞きながら。
まぁ、俺を求めてくれるのは嬉しいけどさ。
END
→あとがき