凪(ナギ)×柚(ユズ)




「ゆー?こっち向いて?」


俺が帰ってきてから凪はずっとこんな感じだ。


「ねぇ、せっかくだからちゃんと見せてよ」


美容院に行ったばかりの襟足を触られると何だかくすぐったい。


「こんなの似合わない……」


美容師に少し髪型で遊んでもいいかと訪ねられ、俺は頷いてしまった。


緩くウェーブのかかった襟足に、ざっくりと膨らませられた髪。


気づいた時には、既に会計を済ませた後だった。


幼い顔立ちがわずかに大人びて見えるが、何よりもいつもと違う髪型を凪に見られることがすこく恥ずかしい。



「柚、可愛い」


凪は俺の髪に指を絡ませて、後ろから柔らかく抱き締めた。


悔しいから、絶対に振り向いてなんてやらない。





END


お題サイト様より。(ひどく優しいから振り向かないの)








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