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□何処にも行かないでよ
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私には悩みがある。
それは─────私が密かに好意を寄せている、臨也の事だ。
高校のときからずっと好きで、今現在も臨也からの(強制的な)勧誘で彼の秘書をしているから、基本彼の傍にいる。
だからこの想いを伝えたい、と思うのだが………
告白することが出来ないのだ。
いや、恥ずかしくて言えないとかそんな理由じゃなくて(それも多少あるけど)。
なんたって彼は人ラブ。
全人類を愛している訳で、個人を愛すことは絶対ないから。
つまり、臨也の愛が私個人に向けられることはない。
『はぁー……』
「どうしたの名前、ため息なんて。
珍しいね」
『そう?
あー…、ちょっと気分転換に出かけてくるわ』
「え?ちょっと待ちなよ、」
『行ってきまーす』
「ちょ、名前っ」
バタン
***
ということでやって来ました、池袋。
よーし、気晴らしにショッピングでもするぞ!!
『まずはサンシャイン辺りから……』
「名前じゃねぇか、久しぶりだな」
池袋巡りの予定をたてていたとき、背後から聞こえてきた久しぶりに聞くセクシー低音ボイス。
この声は……!
『静雄っ、久しぶり!!
元気にしてた!?』
「おう。お前も元気そうだな」
高校時代からの親友、静雄。
臨也がなかなか外に出してくれなかったから、会ったのは数か月ぶりだ。
『まさか会えるとは思わなかった!
そーいや、今仕事中じゃない?大丈夫なの?』
「いまちょうど休憩に入ったところだ。昼時だしな。
どうだ、一緒に飯でも食わねーか?」
『わあ、さんせーい!』
***
某ファーストフード
「……どうしたんだ、お前」
『────へ?』
「さっきからボーっとしてんぞ。なんだ、悩みか?」
『ああ、うん、まあそんなところ』
「…良かったら、相談のるぞ」
静雄が顔を赤らめながら言う。
可愛いなあ。
…静雄なら、言っちゃってもいいかな。
『いや、実はさ、私好きな人がいるんだけど』
「……………新手の冗談か?」
『殺すぞ。でさ、告白したいんだけど、ちょっと相手が特殊でさぁ』
「…あー、誰だ?俺の知ってる奴か?」
『……まあ、うん。ノミ蟲』
「…まじか」
『うんマジ。ちょ、コップ握りすぎだって割れるから粉々になるからお願いだから落ち着いて』
「………で?」
『…ほら、臨也ってちょっとってかかなり変な奴じゃない?
告白なんて出来る奴じゃないでしょ』
「…………そうだな。
それで今日は気分転換にブクロにきたって訳か」
『さっすが静雄。
いやさ、今臨也の秘書として働いてるんだけど。
なかなか1人で外出すること許してくれなくてさ』
「………、」
『嫌になっちゃうよね、今日も無理矢理出てきた感じだしなぁ。
怒ってなきゃいいけど』
「………ほぉ?」
あれ、なんか平和島くんがニヤニヤしてる。
なんでだろ、嫌な予感しかしない。
「名前、ノミ蟲野郎は「みーつけた」
静雄の声によく聞く爽やかな声が重なる。
『い、臨也!?』
「い〜ざ〜やぁぁぁぁぁぁ!!」
突然店内に現れた臨也。
いつもと変わらず笑顔だけど、目が笑ってない。
怒ってる?
当然キレた静雄は近くのテーブルを持ち上げ、臨也に向かって投げつける。
「おおっと!!」とわざとらしく声をだしながらそれを避けたあと、ニッコリと笑って私の手を掴む。
『へっ、』
「逃げるよ名前!」
『え、ちょっ』
「待ちやがれ!い〜ざ〜やぁぁぁぁぁぁ!!」
ガシャァァァァン!!!
店員さんたち、ごめんなさい。
***
新宿 某マンション
「でさ、どういうこと?」
『…どういうこと、とは』
「だからさ、いきなり俺のマンションから逃走したかと思えば池袋でシズちゃん食事?
何してんのさ、君は」
臨也が怒ってる。
なんか知らないけど怒ってる。
『別にさ、私が何してようが私の勝手でしょ?
臨也には関係ないじゃない』
「大有りだね」
『はぁ?何があるの?』
「…俺が、不安になるから」
『………え?』
聞き間違えたのかもしれない。
「、だから!なんていうか、嫌なんだよ。
君が俺の知らないところで俺以外の人と会うのが」
…なんだ、この可愛い生き物。
若干頬を赤くして恥ずかしそうに喋ってるこの可愛い生き物が、本当に臨也なのか?
『ねぇ、それって、』
『嫉妬してくれてるの?』
何処にも行かないでよ
(シズちゃんと一緒にいるところを見て)
(割り込まない訳ないでしょ、)
「…それにしても、やっぱりシズちゃんは鋭いなあ。
まったく、早く死んでくれないかなぁ」
『え?なんのこと?』
「なんでもないよ」
──────────────
gdgd\(^O^)/
ダメだこりゃ^^
嫉妬する臨也を書こうとして失敗した
ていうかこれもう只のギャグ\(^O^)/
2012/4/4