コラボしちゃったんです。

□The magic of the full moon.
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暫くの間考え、ベッドから立ち上がると部屋を出て、隣のアニスの部屋をノックする。すると、少しだけ間を置いてドアが開く。


「大佐…」
「入ってもいいですか?」


黙ったままゆっくりと頷くと、アニスは部屋へ招き入れる。それに従って入ると、自分が使っている香水の香りが鼻に付いた。前を向くと、アニスは客である自分にお茶を出す準備をしようとしている。

だが、アニスが呑気にお茶を出すのを待っているなんて出来はしない。
一刻も早く、この性欲をどうにかしたい――。

今の自分よりもはるかに大きいアニスの手を力強く引くと、アニスの身体が前に倒れる。先程よりも近付いた顔を手で包むと、深く口付けた。

いつもならば、抵抗するアニスを抑え付けてしまう事も可能であるのだが、今日は勝手が違う。アニスの方が体格がいい為に、簡単に負けてしまう。だが、伊達に長い間軍人をやっている訳ではないのだ。自分よりも体格の大きい人間を抑え込む術はいくらでも知っている。

アニスの隙を付いてベッドの上へと押し倒し、腕を固定してしまうと、軍服のボタンを外し始める。


「やっ…ダメ、ダメ…大佐」
「何がダメなんですか?」
「ま、まだシャワー浴びてない…っ!」


アニスの言葉にピタリと手を止める。もう日付を越えるまであと少しという時間だ。例え起きていたとしても、シャワーを浴びて、残りは寝るだけだという状態が多いアニスにしては珍しい。何故だと問いただすと、アニスは顔を真っ赤にして俯いたまま何も言わない。おそらく、言うには恥ずかしい内容だという事だ。

別に、アニスがどんな事を言おうが嫌いになったりしないのに――。そう思うと、ただでさえ可愛らしいアニスが、更に可愛らしいと思えた。


「アニス、何を言っても嫌ったり、バカにしたりしませんから…言ってみなさい」


その言葉に、若干ではあるが顔が紅潮する。俯いたままであった顔が上がり、こちらを見つめたかと思うと、何かを覚悟したように口を開く。


「あ、あのね…男の人の身体って、どう洗えばいいのかわからないから…」


ああ、と納得すると、止めていた手を再び動かし、ボタンを全て外すと、上着を奪い取る。それから、ブーツとインナーも全て剥ぎ取ると、自分の身体が顕わになった。

アニスの表情をチラリと見てみれば、拒絶したのにも関わらず続けるのであろうかと怯えた顔をしている。そんなアニスの額にキスを一つしてから解放した。


「大佐…?」
「ほら、起きなさい。身体、洗ってあげますから」


ベッドから下りて、脱衣所へ向かって歩くと、少し慌てたような、意外だとでも言いたそうな返事を一つしながらも、アニスは立ち上がると脱衣所へとついて来る。

そこで、自分が来ているピンクの軍服と下着を全て脱ぐと、浴室へと入ってアニスを手招きする。

最初は躊躇っていたアニスだが、意を決したのか、身に付けている物を全て脱ぐと、浴室へ入る。一人部屋の為に出来ている為か、二人が一度に入ると少々狭く感じる。

浴槽の縁へとアニスを座らせると、シャワーのお湯を身体へと浴びさせた。


「熱くはないですか?」
「うん、大丈夫…」


アニスの身体が十分に濡れたのを確認してから、石鹸を泡立てて身体を洗い始めた。
いつもと同じように、腕を洗い、首、胸、腹へと手を滑らせる。そして、一度場所を足へと移動させ、最後に、性器へと触れる。

すると、触れた途端にビクリと身体が反応した。それに気付き顔を見上げると、唇を噛み締めて何かに耐えるような表情のアニスがいる。

それが面白いと感じて、洗うふりをしながら何度か上下に手を動かすと、手中に納まっている性器が僅かに硬度を持つ。その様子に口端を上げると口を開く。


「アニス?興奮しているのですか?ただ洗っているだけだというのに、人の身体で興奮するなんて、恥ずかしい子だ」
「あっ…違う…」
「違う?ならばこれは何なのでしょうねぇ」


再び泡でぬるつく性器を上下に動かし始めると、それは完全に勃ち上がり反応を示している。愛撫の合間に僅かに漏れるアニスの声に煽られた。

その時は、相手が自分の身体であるという事を忘れていた。シャワーを手に取り、アニスの身体に付いた泡を全て流すと、勃ち上がっている性器を口に含んだ。

初めて味わうそれは、聞いていたよりも苦い、だが、それを堪えて裏筋を舐め上げると、先端に舌を絡ませて咥え込む。それを吸い上げると、アニスの身体がビクリと跳ねる。

更に快楽を与えようと、唇で上下に扱くようにして吸い上げればアニスの手が髪に絡まる。そこから、限界だという事を察して、欲を吐き出す事を促すように強く吸うと、僅かにアニスが呻いて、口の中へ白濁が広がる。

本当ならば、同性の――ましてや自分の身体の白濁を飲むなど勘弁だと思いたいところだが、中身はアニスであると思えば、そんな気持ちはどこかに消えてしまっていた。何度かに分けて吐き出された白濁を全て飲み干すと、性器から口を離し、アニスを見た。


「どうですか?初めての射精は…」


答えはない。代わりにアニスの顔が羞恥に紅く染まっただけだった。そんなアニスの頬へと軽く口付けると立ち上がり、アニスの手を秘部へと導いた。

元々自分の性欲が高まっていたからであろうか、そこは十分過ぎる程に潤っていて、アニスの指がヌルリと滑った。

逃げようとするアニスの手を強引にそこへ押し留めていると、困惑した表情のアニスがこちらを見つめていた。


「アニス…してくれませんか?少々、女の快楽という物に興味を持ちました」
「そ、そんな…出来ない…っ!した事、ないのに…」
「私が教えます。貴女は言う通りにしてくれれば良いのですよ。それなら、出来るでしょう?」


アニスがやや躊躇いがちに頷くのを確認してから、アニスの手を離し、言葉を続ける。


「まずは…触れるとわかりますが、膨らんだ場所を撫でて…。あまり強くすると気持ちいいを通り越して痛みますから、優しく、ですよ」


触れやすいように足を開きながら告げると、うん、と小声で頷いたアニスはおずおずと手で秘部に触れる。

突起を探り当てると、拙いながらも言われた通りに撫でる。すると、腰からゾクリと何かが這い上がるような感覚が湧き上がる。

――どうやら、男も女も快楽に違いはあまりないようだ――などと思いながらも、未だ突起への愛撫を続けるアニスへと再び口を開く。


「次は、何度か入口を撫でたら指を中へ…。あぁ、場所がわかりませんよね。ここですよ」


アニスの手に、自分の手を添えて入口へと導く。すると、慣れてきたのか、アニスの指が躊躇う事なく中へと侵入した。

異物が中へ入って来る感覚にビクリと反応してしまう。自分の中へ物が入るという体験は今までに一度もないのだから。

アニスの指が中を掻き回し、探るように動く。その途中で、最も快楽が強くなった場所を掠めた時、僅かに嬌声を漏らしてしまう。それを見逃さずにアニスがその一点を集中的に攻めると、快楽は強まり、頭が真っ白になりそうになる。

このままでは達してしまうと察し、指を引き抜かせるとアニスの上へ跨り、秘部へと性器を押し付けた。そして、そのまま腰を下ろして受け入れる。





中が少し馴染んでから、自ら腰を動かせば、指とは比べ物にならない程の快楽が背中を這った。それと同時に、中を締め付けると、アニスの口からも声が漏れる。


「あ…大佐ぁ…っ」
「ぅあ、アニス…」


どちらかともなく唇を合わせ、更に激しく腰を動かせば中にいる自身が質量を増やす。アニスの絶頂が近い事を意味しているのだ。勿論、自分も余裕などない。

それに伴ってより一層深いところまでそれを導くと、頭の中が真っ白になり、間を置かずに、中に熱い物がじんわりと広がった。







*  *  *




カーテン越しにうっすらと光が射している事で朝だと認識し目を覚ます。上半身を起き上がらせて、部屋に備え付いている鏡を見てみれば、そこには紛れもなく、元の自分の姿が写っていた。

それを確認すると、隣で眠っていたアニスの身体を軽く揺する。


「アニス…アニス」
「んぅ…?」
「ほら、戻りましたよ」


その言葉にピクリと反応したアニスは飛び起きると、こちらを見てから嬉しそうな笑みを浮かべる。そして、こちらに抱き付くのだが、昨日はバスルームから直接ベッドへ向かった為に二人の姿は全裸だ。

それにも関わらず抱き付いて胸など押し付けるのだから、こちらとしてはたまったものではない。





本人の意思など関係なく、自分を誘っているのだと勝手に解釈して、アニスの手首を掴むと、ベッドへと押し倒す。


「な…何するんですか」
「先程から抱き付いて胸を押し付けて…誘っ
ているようにしか思えません」


そのまま深く口付けて口腔を犯してから唇を離し、クスリと笑うと、アニスの表情が不機嫌そうなものへと変化する。


「何ですか…?」
「いや、やはり貴女は、小さな身体で喘ぐのが可愛らしいと気付かされたのですよ」


変態!と叫ぶアニスの声は聞かなかった事にして、先程までアニスが包まっていたシーツを床に落とすと、アニスの唇へ、自分のそれを重ねた。




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