日誌

□月曜日の日記
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 某月某日 月曜日

昨日、私は死んだ筈だった。

昨日の戦の記憶を綴る。
織田軍は以外にもあっさりと崩れ、日が登り切る前に本陣に辿り着く。
政宗様は大将織田信長、小十郎様は小姓森蘭丸、私は信長が妻濃姫殿とそれぞれ剣を交える。
各々、しばし均衡状態が続いた後、突然明智光秀がその場に現れる。
これ政宗様へと切り掛かり、それに受け身を取った政宗様を信長が撃った。
小十郎様がこれに飛び掛かるも、相手は織田信長と明智光秀、一人では適う筈もなく討ち取られた。
私はと言えば、それまで交戦していた濃姫殿に戦場から連れ出されお二方の仇討つこと叶わず。
彼の姫に新たな道を生きよと言われるも、私に政宗様無き道などなく、懐刀で自ら命を断つ。

そして目覚めた場所は、およそ三百年後の世界。
真選組一番隊長沖田総悟殿に助けられる。
しかしもはや私に生きる道など無く、再び一人になったところで命を断つ覚悟であった。
しかしその後現れた沖田殿の上役であるという土方殿の声が、政宗様に瓜二つ。
まるで政宗様が未だこの世に留まっているように思え、死ぬ決心がつかなかった。
恥ずべきことであるのは百も承知だが、負け戦の後も生き長らえてみようと思う。

この日記にて懺悔すること許されるならば、土方殿の声を聞いた折りに流した涙。
人に涙見せること、武士にあるまじき行いであり、是以降涙を流すことなしと此処に誓う。









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