日誌

□金曜日の日記
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 某月某日 金曜日

本日、名も知らぬ忍に相見える。
本日は食事をとっていない。
今朝起床し食堂に向かうと私の食事は準備されていなかった。
仕方のないことではあるが、どうやら私は刺客と思われたらしい。

食事がないこと自体はさして気にならなかった。
以前、三方ヶ原が戦にて甲斐武田の兵糧攻めにあった際、三日三晩飲まず食わずで出陣したのに比べれば何ということはない。

昼過ぎ、私は休暇を頂いており、街に出た。
誰かにつけられているのがわかったが、恐らくは真選組の監視だろう。
途中道に迷う。
そこで名も知らぬ忍に会った。
松永久秀に似た声をしていたが、声の酷似にもそろそろ慣れてきたためなんとか冷静を保つことができた。
その忍は親切にも私を真選組屯所まで送り届けてくれた。
振り返ったときには既に姿が見えず、礼を言いそびれた。









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