L月小説

□変態 one Day
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「あれ?おかしいな。」



ガチャガチャ


いつもコーヒーが置いてあるはずの棚に目当ての物がない。



「母さんが場所を変えたのか?」

いくら捜してもコーヒーが見つからなかったので、諦めて紅茶を煎れることにした。

ーーだが、紅茶も緑茶もその他の飲み物も全て行方不明だ。



「幸子ぉぉぉ!どこに隠しやがったぁぁぁ!!!」



最終巻さながらの絶叫をしながらも月は意地でもコーヒーを捜すつもりらしい。

半分ヤケクソになりつつ懸命に戸棚をカチャカチャしている。




+++++


ーーー30分後



ガチャ


「流河すまない。コーヒーなんだけど、何故かどこを捜しても見つからないんだ。」

「そうですか。気になさらないで下さい。

では私はそろそろ本部に戻りますね。」

「え...!?戻るって、まさか歩いて帰るのか?」

「いえ。月くんが発狂している間にワタリに迎えを頼んどきました。」


(聞こえてたのか...)



さっきまでの自分の豹変ぶりを思い出して顔を赤らめる月に流河は微笑んで



「明日は私も大学に顔を出しますので。
それではまた学校で。
お邪魔しました。」

「あ...ああ。」



いつの間にか玄関の前で待機していたワタリの運転する車に乗り、流河は帰っていった。



「・・・結局、何しに来たんだあいつ。」


(僕の椅子にずっと座っていただけじゃないか。)


疑問に残ったが、今日の事は忘れる方向に決めて、月は犯罪者を消すべく玄関のドアに手をかけた。



『なぁなぁライト〜〜〜、りんご10個でいいこと教えてやろうか???』



今まで部屋にいた死神がいつの間にか月の後ろに立っていた。



「何だよリューク?いいことって。」

『りんごくれるか?』

「・・・本当にいい話だったらな。」

『Lがお前の部屋に監視カメラつけてたぞ。』
 
「何だと!?」



どういうことだ?監視カメラの問題はクリアしたはず...
それともまた僕の疑いが濃くなったのか!?



『ポケットから小型カメラを大量に取り出して。エラく上機嫌で「これで月くんコレクションが増えます。楽しみです。」とか言ってたぞ。』



・・・ナンデスト?



『あーそれとコーヒー紅茶を隠してたのもLだ。』



・・・早く言え。そういうことは!!!



「...っ流河ぁぁぁ!!!!」



玄関に掛けてた手を払い、月は猛ダッシュで流河のいる捜査本部に向かった。

ちなみに、ドアの鍵を閉め終わるまでに、わずか0.5秒と言う素晴らしい新記録を叩き出してしまった



『あっ!ライトりんごぉぉぉ!!!』



置いてけぼりを喰らったリュークは慌てて月のあとを追いかけて行ったのだった。









〜おしまい〜



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