L月小説
□悲劇のデェト
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週一のデートだというのに、夜神 月の(自称)恋人の 弥 海砂はつまらなそうに頬を膨らませている。
それは、大好きな月の隣にピッタリくっついて、自分の目の前にあるクッキーをサクサク食べている男が原因で
「ちょっと竜崎さん!海砂とライトのデートなんだから、竜崎さんはあっち行ってよね!!」
「私の事はお気になさらず。それより、クッキー食べないのなら頂いてよろしいですか?」
「じゃあ、前にも言ったけど、クッキーあげるからライトと2人っきりにしてよ。」
「前にも言いましたが、2人っきりになったところで監視カメラで私は観るんですから同じ事です。」
「だから前にも言ったけど変態だって!やめてくれない?そういう悪趣味!!」
「前にも言いましたが、私の事は何とでも言っていいですが、クッキーは頂きます。あなたと違って私は頭を使う事が多いので、糖分が必要なんです。」
「あっ!またミサをバカにして.......!」
(また始まった・・・)
両者とも一歩もひかない何時もの攻防戦が始まり、月は2人に聞こえないように溜め息をついた。
「大体、何でライトの隣が竜崎さんなワケ!?ライトはミサのライトなんだから離れてよ―――っ!!!」
「あなたの方こそ勘違いしないで下さい!!!ミサさんと月くんが付き合っているというのは あなたの勝手な思い込みです!!」
「な・・・なんですってぇ〜〜〜?」
段々激しくなっていく言い争いに、そろそろ止めないとヤバいことになる・・・と思って月が口を開きかけたとき___
バンッ! バシャッ
竜崎の言葉でムキになった海砂がテーブルを叩いた衝撃で、口をつけようとカップを近づけていた紅茶の中身が、月の顔面にヒットした。
―――だが、月が誰のものか言い争っているのに夢中な2人は全く気が付いてない。