08/08の日記
21:10
恋のパワー?
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「あああああ!!」
しーん…とした室内に突然竜崎の悲鳴が響き渡った
数分前まで捜査員が挨拶を交わし
よしっ!今日こそは手がかりの一つでも掴んでやる!!
と意気込みパソコンやら書類やらとにらめっこしていたのだが、冒頭通りの雄叫びのおかげで集中力が途切れ皆不満を顔に出している
だが竜崎が叫ぶのは大変珍しく、よっぽどの事があったんじゃないかという心配の方が勝っていた
「あの〜…竜崎、どうしました?」
松田が恐る恐る尋ねるとピクッと反応して小刻みに震えだした
「……ん…です」
「……え?」
「お菓子がッ!食べられないんです!!」
振り返った竜崎の片手には食べそこないのケーキを刺したフォークを持ち顔は真剣そのものだ
「「「「え・・・えエエエエェェェ!?」」」」
当然その場にいる誰もが耳を疑った
なにしろあのお菓子一直線の竜崎が突然食べられないときたら大ごとだ
竜崎の爆弾発言に病気なんじゃないかと大慌てする者もいればこれは夢だと頬を抓る者もいた
「何でまた急に食べられなくなったんだ?」
「分かりません…。ですが食べようとすると胸の辺りが締め付けられて苦しくなるんです...」
総一郎の言葉に苦しげに答える竜崎に松田が真っ青な顔で狼狽した
「竜崎っ、それ絶対病気ですよ!今すぐ病院に行きましょう!!」
「まあ待て松田。…竜崎昨日までは普通に食べられたんだよな?最後に何食べたか覚えてるか?」
「昨日は…確か……」
相沢の問いにう〜ん…と頭を捻り始めたが、数秒もしないうちに思いたったように手をポンッと叩いた
「夜中に月くん手作りのプリンを頂きました!昼間もらったんですけど冷蔵庫でずぅーっと冷やしておいたんです!!」
あれは最高に美味でした・・・とうっとり顔でノロケる竜崎を全員呆れた様子で見ている
「……もしかして月くんの手料理しか胃袋が受けつけなくなったんじゃないですか?」
ボソッと適当に結論づけた模木さんに竜崎が星を散らばせた目で食いついた
「そうですね!そうかもしれません!!ということで早速今から月くんにお菓子を作ってもらうことにします!!」
嬉々と月に催促の電話をかける竜崎に全員、心配して損した…と深いため息を同時に吐き出した
うきうきした竜崎とは対称的に、そんな事で一々電話するな!!と月の怒りを買ってしまうのはあと数秒後の話
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