08/13の日記

02:14
Cross(side:竜崎)
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心が手に入らないのなら体だけでも、、、なんて

そんなの単なる言い訳に過ぎない





グチャグチャなシーツの上に
腰を降ろした状態の私と乱れきった青年が意識を手放している

意図的に繋いでいた手錠は、今はポケットの中


この青年、夜神月との関係を一言で言い表すには難しすぎる

ライバルなんて生易しいものではないし
敵というには決定的な何かが足りない

なぜなら、彼は大量殺人犯‘キラ’だから


なのに私は
初めて会ったその日から彼の虜になっていた

もしかするとカメラ越しで姿を目にした時から心を奪われていたのかもしれない

とにかく私は『夜神 月』という人間にヒドく興味をそそられた


少しでも近づきたくて本部に招き入れた
それでもこの気持ちを悟られ拒まれるのが怖くて友達だなんて心にもない事を口にした
夜神月が傍にいてくれるのならそれでも構わないと、心に蓋をして気持ちを押し込めた



否、押し込めたつもりだった


笑ったり怒ったり時には泣いたりと
色んな一面を知る度私の中でヤガミライトという存在が大きくなっていった

友達なんてちっぽけな枠じゃ収まらない気持ちは日に日にどんどん膨らんでいき
遂にパンッと弾け
気がつけばこの有り様だ


『や……だ、竜崎、、、ーーー嫌だ!』


拒絶の言葉は唇で塞ぎ取り、抗う腕は力にモノを言わせて押さえつけた

頭の中で何度もめちゃくちゃに犯していた夜神月を一度でいいから私のモノにしたかったんだ


だが実際はどうだ

今私の心に住みついているのは、空虚感と彼を傷つけた事への後悔だけだ

一回きりと決心しても、私の中で彼の存在は大きくなるばかり

なんて滑稽なのだろう



後ろから夜神月の頬に指を這わせると冷たい涙の感触が指を湿らせた

彼が傷ついた事を改めて思い知らされる



心が得られないのなら体だけでも…
なんて嘘


本当はその瞳に私を、私だけを映して欲しかった


だけどこの思いは余りにも醜く、グニャグニャに歪んでいるから
私は同じ過ちを何度も繰り返し彼を今以上に汚してしまう

だから今度こそ終止符を打ってしまおう

精一杯のコトバに気持ちを込めて






「好きです」



ごめんなさい
傷つける事でしか思いを示せなくて
沢山たくさん泣かせてしまって



何度も好きだと繰り返したら、寝ていた筈の彼が振り向いた






♪チャンチャン♪
続きます;

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