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□患者の病が治ったら
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ゾロの機嫌が悪い。


当然だ

男に保護されていた上に痕をつけられて


目の前で頬にキスまでされた。



その男と何かあったと思われても仕方ない。







私をお姫様抱っこで浴場まで運んで服を脱がす。


二人何も纏わずイスに座らせられて熱いシャワーをかけられた。



「…濡れたとこちゃんと洗ってやる」


「……」


泡立てたタオルでゴシゴシ背中を洗われて


ローにもこんなふうに無理矢理お風呂に入れられたことを思い出して

罪悪感でいっぱいになった。


そういえばローはもっと丁寧で優しい手つきだった。




「……そういやお前、向こうの船にいる間、風呂はどうしてた?」


ギクリ
と頭の中で音がした気がした。


「…借りたわ」


「…動けねぇ体でひとりで入れたのか?」


「えぇ、なんとか…」



一瞬ゾロの手の動きが止まって冷や汗が流れる。


「ふーん……」


「……」


止まっていた手が前に回されて
後ろから抱き締められるように全身を触られる。


「まぁ…敵船で風呂を借りる時点で油断しすぎだな」


「…返す言葉がないわ」


泡でつるつると滑る大きな手でくまなく撫でられて体が熱くなる。

太ももの間に右手が滑り込んできて体が強張った。



「もっと足ひらけ」


「…っ」


ゾロのものが背中にあたっている。

さっき刺激されたところを同じように刺激されて身体が反応する。



「あんまり興奮するなよ?体に悪ぃから」


「ん…」


ローにも同じようなことを言われたのを思い出す。

こいつらふたり揃ってドSなのね…。


全然違うタイプなのに

どうやら私はローをゾロと重ねて見ていたところがある。


その間にも敏感な部分を刺激され、
快感が絶頂に達しそうになって身体がぴくついた。


「あっ、はぁ…」


「…いきてぇか?」

「もう…っ!」



そのときぴたりと刺激が止まって行き場のない感覚に悶える。



「これ以上の興奮はだめだな。耐えろと言ったろう?
主治医の指示は絶対なんだろ?」


「……」


ニヤリと笑ってシャワーを手に取るそいつの顔はまさに悪魔だ。



仕返しだ。

ローの言葉を逆手にとって私に仕返ししてるんだ。



しかも

ローの指示に従うことで

あくまで私にとってローが主治医でしかないことを訴えている。


ローの言葉を無視したら
それを否定することになるから…。



「あがるぞナミ」


ざっと洗って最後にキスをして浴場を後にした。




その後も事あるごとに同じようなことがあって


私は耐えるのに必死だったけど



一瞬でもローに心が揺れたこと…



ゾロへの罪滅ぼしだと言い聞かせて


激しく迫るその愛情を受け入れた。
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