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□黄色いくちばしたち
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今日も今日とて、サニー号は平和である。















「黄色いくちばしたち」



























それはいつも突然の出来事。




例えば予測できないグランドラインのサイクロンのような


エースの食事中睡眠のようなそんなものである。



麦わらの一味のクルーたちそれぞれがそれぞれに

その突発的な出来事に順応しつつある今日この頃、


ある者は見守り、ある者は囃し立て、ある者は絶対阻止にはしり、ある者は巻き添えを食らうまいと後退る。


世界にその名をとどろかすこととなったこの一味の結成当初、誰が予想などできただろうか。


このふたりのこんな光景を目の当たりにする日が訪れようとは………。













それはたいてい、どちらかの不機嫌から始まる。






「てめェ、どういうつもりだ」




本日クルーたちの中で最後の起床となったゾロがキッチンに入ってくるなり目的の人物の目の前まで迷わず歩いてきてそう言った。




「は?なにが?」



空になりかけているモーニングティーのカップを両手で包み込んだままゾロを見上げたナミは

話の内容がさっぱりわからないというふうに首を傾げる。




「なんで先に来てやがる」


「どこに?」



寝起き悪げなゾロに静まり返っていたダイニング内の半数が、何かを悟った。





確か昨日はロビンが見張り………



「なんかヤベーセンサー」搭載のウソップはこのような場合押し並べていち早く反応し、

隣に座っているナミからさりげなく、確実に距離を取っていく。



無造作に髪をかきみだし、軽く舌打ちをしたゾロはテーブルに手をつき、言う。



「ここにだ。先に起きるなら声かけろっつってんだろうが」


一瞬ぴくりと指先を強ばらせたナミはわざとらしく目をそらすあちこちの野郎たちをざっと見渡す。


この一味の男どもは壊滅的に嘘が下手だ。ウソップなんてもはや下手を通り越してそれがステータスになっている。


「聞いてねェよ?」という顔をつくっているやつがひとり、ふたり、…



「オイッ!聞いてんのか?」


白々しく唇を尖らせていたルフィを人数に加えたところで降ってきた刺々しい声に

びくぅっと大きな反応を見せたのは言われた本人ではなく肝の小さい一部のクルー。
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