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□最強の恋敵
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何を言い出すかと思えば俺への質問の返事には興味もなくなったってのか。


ったくこのくそゴム。




「そりゃあまァ、お前は船長だからなァ…。
仲間に順位付けるなんざ、本来あっちゃならねェな」



「だよなァ〜……」



ハァ〜とでかい溜め息を吐いて目を閉じるそいつから視線を離し、

ピカピカに磨きあげられ冷蔵庫で冷やされた皿に
先程切り分けたタルトを盛り付ける。




「てめェに溜め息なんて所業が成せるとはな。意外だぜ」



ハハと笑い


まだ結論の見えない話題の成り行きを促す。






「仲間はみんな仲間なんだけどよ…。

守りてェとか
傷つけたくねェとか
ずっと見ていてェとか
笑っててほしいとかに
一番があんだよなァ…。」





「…………」





「俺、船長しっかくってやつかと思ってロビンに聞いたらよ…」





『そういう感情は決して悪いことではないわルフィ。
あなたはいつでも仲間を平等に愛し、大切にしている。
あなたが一番と考えてしまうそれらの感情は、
仲間を思う気持ちとはまた別のものなのよ』




「…って言われたんだ。
だからこの一番ってのは何なのかって聞いてもあいつ、笑ってるだけで答えてくんねェんだよなァ。
だからサンジ、お前に聞いてみた」



ニカっと子供っぽい笑顔を浮かべるルフィ。






「…………おい、それっておまえ……。」




ロビンちゃんにそれを聞くということは
ルフィの言う“一番”の対象が彼女ではないことは明らかで、




そんな解り易い感情なんざ“恋”以外にないわけで…。








「てめェまさか……」


「でも今、サンジのおかげでわかったぞ!」







一番=好き

という結論を出してしまったのは他でもない俺なわけで………













「俺はナミが好きだ!!!」




「……」
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