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□たったひとつの成就論
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「押して駄目ならとことん押して惚れさせる。それが男ってもんだろ」
「レディにはゆっくりと、時間をかけて愛を注ぐ。極上のフルコースを味わうようにな」
「たったひとつの成就論」
女性陣が寝静まったこの夜更け
甲板でランプと酒を囲んだ男たちが
先程から女をおとす…もとい、この船の航海士をおとす方法について口論していた。
事の発端は剣士の船番での晩酌。
コックから届けられた肴の匂いに釣られた野郎共が
なんとなく輪をつくり、飲み食い、小宴会となった頃
俺は伝説の美人島の女共を一人残らず口説き落としたことがある!
この俺様に落とせぬ女などいないのだ!
そんな本当ともつかぬ嘘を間に受けたトナカイが
「誰でもか!??じゃあウソップは、ナミでも落とせるのか!??」
と目をキラキラと輝かせたことから始まった。
“ナミ”
この船を牛耳る魔女の名を出されたことによりたじたじになったウソップの代わりに答えたのは
その魔女に想いを寄せる二人のクルーだった。
「あいつは俺に惚れさせる」
「ナミさんは俺が落とす」