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□ガラスの靴を愛さない
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「なるほど…入港審査が厳しかったのは無法者や海軍さえも国に入れないためだったのね。貿易相手国以外のよそ者とは孤立して、国内だけで治安を維持しているんだわ」


その厳しい入港も悠々とパスしたのはこの女の卓越した頭脳によるところだ。


「どーしても食料が必要だったんだもの。でも入ってしまえばこっちのもんだわ。食費削減だけじゃなくてあわよくば貴族共のお宝を…そうと決まれば明日の準備よ!みんな、ちゃんと服出しておきなさいよー」


「なんか今悪魔の声を聞いたぞ…」


「おれ、貴族のパーティなんて初めてだ!楽しみだなぁ!」


「食費が浮くならこの船のためにもなるわね」


「舞踏会…なんと胸踊る響きでしょう!私、踊る胸ないんですけど!ヨホホホ」


「ナミさんとロビンちゃんのドレス姿…むふふ…」


コックのいやらしい顔に嫌気がさして

ガンっと音を立ててドリンクを机に叩きつけた。


それに反応したコックがさらに笑み浮かべパスタを食べるナミへと膝まづいた。




「よろしければお相手願えますか?お姫様」



「へ…?」


俺の横で目をぱちくりさせる女に

芝居がかった仕草で手が差しのべられた



「相手って…なんの相手よ?」


「やだなぁナミさん、舞踏会でこんな素敵なレディにパートナーもいないんじゃ、そこらの輩がうじゃうじゃ寄ってきてしょうがねぇだろ?だから俺がダンスの相手役を申し出るのさっ」


「はぁっ!!?ダンスなんて踊れないわよ私!」


「あらナミ、女性が舞踏会に行くのにパートナーもいないのでは恥ずかしいわよ?それにサンジなら護衛としても頼れるわ。承諾なさい」


「あぁぁもしかしてロビンちゃんジェラシー!!?おれはなんて罪な男だ…いや、罪なのはこの船の二人の美女だっ!どぅぉぉっ!どっちかなんておれには選べん!!」

「いいえ、私の相手は決まっているもの。そうでしょう?」

頬杖をついてフランキーを見やると、少し照れた表情を浮かべて目を逸らした後、ぶっきらぼうに呟いた。


「ま、まぁ、おまえみてェないい女に相手の一人や二人いねェのは不自然だ。今週のスーパーなこのおれが、エスコートしてやるぜ」


「ふふ。お願いするわ」


そりゃそうだろう

二人は恋人同士なのだから、当然そうなる。


「そうかぁそりゃ残念だが、相手のいるレディを誘おうなんて無粋な真似はしねェさ」
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