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□Heat!
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カラリと笑うルフィを立ったまま見下ろすと
それに視線を合わせてさらにニカッと目を細めて嫌味のない声色を兄に向ける。



「俺、今はもうエースに負けねぇし」


「言うじゃねぇか泣き虫ルフィが」


「それは昔の話だろ!」


どうだかなと言って胡座をかくエースの表情はとても楽しそうで
弟に対する愛情が見てとれる。



「ひとまず止まったようね。さすが船長さん…いえ弟さんと言うべきかしら」


「あー、また木材買い足さねぇとなー」


眉をハの字にして焦げかけた床部分を見つめるウソップがあまりにも不憫だったため、朗報を授けることにした。


「明日の夜には島に着くわよ」



「「ほんとか?!」」


ウソップよりも速く反応した似た者兄弟の目が輝く。



「おっしゃー!着船準備ー!!」


「いや気が早ぇよ」


「なんだよウソップ船長命令だ!」


「だから着くのは明日の夜だっつってんだろ!でも…そうかー、まともな島なら木材が手に入るな!」


「ナミ!」


争奪戦の上ゾロから奪った瓶がもう三分の一ほど無くなっていることに眉をひそめていると

生き生きとした声で名前を呼ばれてエースを見た。




「明日、島に降りたら俺とデートしねぇか?」


身を乗り出して返事を待つ仕草はまるで子供なのに
浮き出た鎖骨やガッチリとした肩周りが完成された大人の男を思わせて

普段誰に言われたって意識しない“デート”という言葉に敏感になる自分がいる。



「まぁ…荷物持ちとしてなら一緒に歩いてあげないこともないけど」



それでも素直に喜ぶなんて恥ずかしくて
お高い女として彼の誘いを受け入れれば

くしゃっという音がしそうなくらいに皺を刻んだ男の顔。



「うっし!どこでもナミの好きなところに連れてってやるよ!」




今までクルーやその他の男と二人で出歩いたって

連れ従う、勝手に着いてくることはあっても

私が男に連れられる、着いていくことなどあっただろうか。

それに
なんて嬉しそうに笑うのだろう、この人は。




「ダメに決まってんだろ!!!!」



話の始終を聞いていたサンジくんがすかさず割り込む。



「ナミが良いって言ってるんだ。ダメなことがあるもんか」

「兄さんあんたわかってねぇな、ナミさんの荷物持ちは俺の役目だ。
それに食料が残り少ねぇから明日島に着いたら調達ついでに全員で外食だろ」


全員という部分を強調したサンジくんに不信の目を向けて

それから私を見てまた笑う。



「ナミ、お前は俺と二人で出かけてぇだろ?」
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