短編log

□雨のち晴れ
3ページ/6ページ

紫音side




扉が開いて、剣城くんが現れる

「あ、ありがとう…………つるぎくん?」
「…何だよ」

剣城くんは明らかに不機嫌だった

「どうか…しました?」
「別に…」

ぶっきらぼうに置かれたお盆の上に、絆創膏があった。
…もしかして、ケガしてるのバレたのかな…


とりあえず、薬を飲む。
一息ついた時、いきなりケガしてる方の手をとられた。
隠していた傷が、剣城くんの目に入る

「…何で言わなかった」
「…ごめん、なさい」
「まあいい…」

すると、剣城くんは私の手を掴んで












…いきなり、私の指を口に運んだ





「…え?えぇ!?つるぎくん!?や、やめてください…!!」

剣城くんは話を聞いてくれない
ゆっくりと、傷口を舌で撫でていく
私はもう、恥ずかしいやら少し痛いやらで、いっぱいだった

…やがて、剣城くんは口を離して、絆創膏を貼った


「消毒液がなかったんでな」

…そういえば、買うのを忘れていた

「…つるぎくんは、ばかです」

布団に潜りこむ
剣城くんは密やかに笑っているんだろう

薬が効いていたのか、私は眠りに堕ちていった






次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ