短編log

□無くしたモノは大きすぎて
2ページ/3ページ





そんなことがあったのは、昨日のことだ



ちょうど1ヶ月だった昨日のこと…



もう、お前が傷つかないように、守るから…
お前が目を開けた時の世界が、良いものであるようにするから…










起きてくれよ…













「………っ…」


不意に、視界が滲んだ

勉強する手を止めて、紫音の手に触れる





こんな温かい手なんだから、もう目覚めないなんてことないよな…









一瞬、何かが触れた






…紫音の、手が……触れた………?











滲みを拭い去って見ると、本当にお前の手が動いていて、俺の手を握っていた








「おい!紫音!!わかるか!?おい!」



「…うっ……」





ゆっくりと、瞼が開く。その瞳が見えてくる


ああ、良かった…




今思い出すと、その瞳は濁っていたような気がする




「紫音!…良かった…」





「………あなたは………




















………………………誰?」












→あとがき
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ