短編log
□晴れた空から見えるのは
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「紫音…」
あれから、2時間半くらいたったか…
面会時間ギリギリだ
医者いわく、強いショックが原因だと…
起きて、くれるよな…
「……きょ、すけくん……」
「っ!!」
か細い声に、ベッドを見る
紫音がうっすらと目を開いていた
「泣か…ないでくだ…さい……」
泣いてないと言おうとしたが、視界が滲んでいることに気付く
「京介、くん…もう大丈夫…ですよ」
「大丈夫ってお前………………お前、今…名前で呼んだ…?」
「はい…」
起き上がろうとする紫音を助ける
涙を拭われた
「京介くん。ありがとうございました…」
「お前、記憶…戻ったのか?全部…」
恐る恐る確認すると、紫音は優しく微笑んでくれた
「あとは、京介くんのことだけだったんです。………出会ったのは優一さんの病室でしたね。告白されたのは決勝戦の後で、その時の言葉は…」
「言わないでくれ…」
「ふふ…ごめんなさい……あっ…」
紫音を抱きしめる
その体温をいとおしむ
「面会時間が…ないですよ?」
「あと、少しだけだ…」
「…はい」
→あとがき&補足