短編log
□曇天に叫ぶ
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目の前の人は…
誰なんだろう…?
京介side
最近、名字呼びから名前呼びに変えた
想いが通じあったんだから、普通だよな
呼び捨てで良いって言ったのに、くん付けはやめなくて
「京介くん」と、呼んでいたお前
それでも、心地良かったんだ…
「あなたは……誰?」
「なにっ……冗談、言ってんだよ…」
お前に冗談なんて似合わない
「だって…初対面じゃないですか」
「紫音……本当に、覚えてないのか……?」
嘘だって、言ってくれるよな
その冗談なら似合うから…
「紫音って……誰ですか?」
「っ!!」
病室を飛び出した
見ていられなかった
何も知らない、虚ろな目の紫音を
*