リクエストlog

□サトリも木から落ちる
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聞いてくださいよ!今日の二人のお弁当、重箱だったんですよ!?



「す、すいません!作り過ぎちゃって…」

「食いきれっから気にすんなって」



しかも、桜井君お箸を一つ忘れてきちゃったみたいで…



「あ、あ〜ん」

「あー…ん、うま。良」

「はい、唐揚げですね」

「おう。良もちゃんと食えよ」

「はい」



なんでナチュラルにあ〜んしてるの?何で名前呼ぶだけで伝わるの!?



青峰と桜井、すごいよな。俺、こないだ本屋に行ったんだけど…



「……なあ、りょー。まだか?」

「すいません、青峰さん。もうちょっとだけ」



いたんだよな、青峰と桜井。桜井が弁当の雑誌熟読してたから、青峰も暇そうに近くの雑誌読んでたんだけど



「青峰さん、このページの中だったら、何作って欲しいですか?」

「んー、それより良。これ作れ」

「あ、はい」

「あと、弁当はお前の作りやすいもんでいいから。お前の飯に不味いもんなんてないし」

「、はいっ!」



どこの夫婦だよって話だよな。しかも、青峰が見てたの、晩御飯の雑誌だったし



まだマシやってそれ。ワシこないだ、桜井と話とってんけどな



「良、何してんだ」

「あ、青峰さん」



何でおんねんって話や。ちゃっかり、ワシと桜井の間に割り込むし



「なあ良。屋上行こうぜ、屋上」

「え、でも授業」

「いいじゃねーか、別に。なーあ、りょー」

「…わかりました」

「っしゃ!じゃーな!今吉サン!!」



あん時の青峰のドヤ顔ったらなかったわー、ちゅーかワシが邪魔もんかいな。



俺なんかもっと最悪っすよ!こないだ、居残り練メンバーが偶然、俺と桜井と青峰だけだった時…



「………ほっせぇ身体」

「……よわくて………すいません…」



青峰が急に桜井のこと…だ、抱き締めやがって……練習の邪魔すんなって言おうとしたら…



「ちげぇよ。…そういうことじゃなくてだな…」

「……なん、ですか」

「…今度は勝つから。俺はもう、誰にも負けねぇから」

「っ……」

「だから、それ以上無茶すんな。……お前が、壊れちまう」

「、ぁ…青峰、さ……」



なんか桜井は青峰の腕の中で泣き出すし……俺がいることも考えろってんだ!!






そして今日、彼らは戦慄した。



「お前らな…ええ加減イチャイチャすんのやめぇや。リアルが充実しとって、制御きかんのはわかるけど……」



二人が目に余るほどいちゃつくために、息抜きがてら遊びに来た今吉が放った言葉である。すると、二人は…



「ハァ?イチャイチャ?何言ってんだアンタ」

「す、すいません!何か可笑しかったでしょうか…?」



と、宣ってみせたのだ。ふざけているのだろうと、今吉が問い詰めると、



「は?俺が良と?バッカじゃねーの、男同士だぜ?」

「というか、そんな恐れ多いことムリですスイマセン!!」



とまで、言ってみせたのである。



「「「「…え、えええぇぇえぇぇえええぇ!?/…は、はあぁあぁぁああぁあぁぁ!?」」」」



合計四つの悲鳴が、体育館を越えて学校中に響き渡った。
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