リクエストlog

□サトリも木から落ちる
2ページ/8ページ




「これは由々しき事態や!」



そうして、四人はマジバの一角で緊急会議を始めた。受験生を巻き込んでの大騒動である。諏佐は、緩く苦笑しながら言った。



「まさか、あの二人が付き合ってなかったとはなぁ…」

「あのイチャイチャさを、私とテツ君にも分けてくれたらいいのに…」



非リア充桃井の切実な思いである。同意する者はいなかったが、同情はされていた。



「とにかく!部活中まであんなイチャイチャしてるくせに、付き合ってねぇとかねぇっすよ!!あの雰囲気のせいで、他の部員に影響が出ちまったら、来年のIHとかWCにまで響くんじゃないすか!?」



若松はあくまで、部のため部員のためである。主将としての役割は、きちんとこなしていけそうだ。
と、今吉がここでニヤリと笑った。



「…あいつら、くっつけたらええんとちゃうか?」

「どういうことですか?」

「付き合い出したら、羞恥心とか独占欲覚えて、人前でいちゃつかんようになるんちゃうかなって」



間髪入れない桃井の聞き返しに、今吉はつらつらと答えてみせた。



「いや…そんなことしt「いいじゃないっすか、それ!」



諏佐の声も小さいわけではないが、いかんせん若松の声が大きすぎた。そうして、今吉、桃井、若松の三人で話が進んでいく。諏佐はため息をついて、自分の心配は杞憂だと、自身に言い聞かせた。



これが後に、大きな失敗に繋がるのだが、それはまだ先の話である。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ