リクエストlog

□ボールが繋ぐ愛
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“眩しい”



それが第一印象。短めに切り揃えられた青色の髪に、日の光が当たってキラッと輝いて見える。メラニン色素の濃い手が、二つの拳を受け止めていた。



「な…んだよ、お前!」

「関係ないやつは引っ込んでてくれるか!!」



現れた男の背の高さに怯みつつも、引っ込みが付かなくなっているらしい先輩二人は、青の男に噛みつくように怒鳴りつける。だが、男はそれを無視して桜井に手を差し伸べた。



「立てるか?」

「、あ…はいっ」



筋の目立つがっしりした腕が、桜井を勢い良く引っ張り上げる。このコートを知っているということは、彼もバスケをするのだろうかと、桜井は漠然とそう思った。



「あっ…!」

「無視してんじゃねぇ!!」



背後で赤茶髪の先輩が、助けてくれた彼に殴りかかるのが見えて、桜井はとっさに庇おうと動いた、が…



「おっと、」

「うわっ!?」



青髪の男は簡単に軌道を逸らして、横に転ばせる。男は、はぁーあとため息をついて、赤茶髪と黒髪の二人を呆れた目で見回した。



「お前らよぉ、殴ったりしていいのかよ。バスケットマンだろ?」



さりげなく桜井を庇いながら、男はバスケットボールを持ち上げた。



「何で言い争いしてんのか知らねーけどよ、バスケしてるやつなら、もっと簡単に話つける方法あるだろ?」

「え?」



キュルルルルと指の上で回されるボールを見ながら、桜井が首を傾げると、男はヒョイと桜井にボールを投げ渡して、赤茶髪と黒髪の方へ向き直った。



「バスケだよ、バスケでカタつけちまえばいい」



簡単だろ?と言って笑う青の男を他所に、先輩達の顔がひきつる。目ざとくそれを見つけた男は、かはっと意地悪い笑い声をあげて言った。



「そーかそーか、勝つ自信ねーか!逃げずに努力してる後輩が怖いのか。センパイさんよ」

「っ…!うるさい!!桜井なんか敵でもない!!」



挑発の言葉に簡単に乗って睨んでくる先輩達。予想外の展開にアワアワと慌てる桜井に、青の男は囁きかける。



「…お前は、逃げなかったんだろ?なら、強くなってるはずだ。……お前が正しいってこと、勝って証明してみせろ」



ストンと言葉が腹の底に落ちてくる。キュッと唇を結んで頷いた時、桜井は戦士の顔をしていた。
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