…鴛カ堰c

□13HRだったあの頃…
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それから一週間くらい
あたしはこのクラスの
様子を観察していた。

賑やかだけど、キチンとしたクラス。
あたしはそういうこのクラスに好感を持った。

『このクラスならやっていけそうだな…先生も優しそうだし。』

担任の先生はとても優しそうな女の先生だった。
ニコニコしている顔にはなぜか子供らしさを残していた。

『そろそろあたしもクラスに参加するかぁ…』

そう思った時、
先生が
「それじゃ、くじ引いてー!」
と言った。

あ、席替えか…
友達増やそっ!

ちょっと気合いを入れてくじを引く。

席は左から2列目の前から3番目だった。

あたしは席に着いた。
でも、あたしの前に誰も座らない。何やらもめている様だった。

あれは…愛咲美ちゃんだっけかな?もう1人の子と、あたしの前か、その席のもう一個前か、もめていた。


「愛咲美ちゃん
こっち座りなよ。」

愛咲美ちゃんが振り向くあたしは前の席を指差しながら、もう一回言う。
「ココ。」

愛咲美ちゃんは少し迷って、それから前の席に座る。

「宜しくね。」

そういうと、

「こちらこそ。」
と返してくれた。

『アレ?ウチ何で愛咲美ちゃんにしたんだ?』

不思議だった。
今まで事の成り行きに任せるのがポリシーだったのに…(なんだそりゃ)

なんか…愛咲美ちゃんだった。

この発言がこの後の3年間を大きく変えるとは、夢にも思って無かった。
それからの毎日は、
もの凄く楽しかった。

同じ班のメンツはやばいくらい面白くて、楽しかった。

その班の流れに乗せて、愛咲美ちゃんと仲良くなり、交換ノートを始める事にした。

始めは愛咲美ちゃん、と呼んでいたけど、何故かあたしは
「愛咲美ッチ」
とか
「咲美ッチ」
とか意味不明なあだ名を付けて呼んでいた。

そんな馬鹿なあたしにも愛咲美ッチは優しく接してくれた。

『愛咲美ッチって、イイ奴だな…』

話す度にそう思った。
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