しゅごキャラ!
□こんなにも…
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いつも前から後ろから「りまちゃん!」なんてうるさくくっついてくる。
その度に私は仏頂面して、自分に抱きついてくる男を剥がさなきゃいけない。
べったりと甘くくっついてくる身体。
うっとおしく、たまらなくウザい。
「……」
ロイヤルガーデンのイスに座って息を吐いた。
それは思いのほか長く深いものになり、斜め前に座っていたあむが書類から顔を上げた。
「どうしたのりま、具合悪いの?」
眉を下げ、凄く心配そうに聞く。
ああ、やっぱりあむはいい友達。
ぼんやりとそう思いながら頭を振ると、違う違う!と元気な声が背後から上がる。
え、やや知ってんの?ときょとんとややを見上げるあむ。
あれでしょー?とニヤニヤした小さな顔がぎゅっと寄った。
「……」
嫌な予感しかしなくて、無言で席を立ち少し離れたところで小さくまるまった。
私のそんな様子を見て、ややは内緒話のように、ナギーが居なくてさびしいんだよ!とあむに耳打ちした。
「……っ」
ああ、もう、と息をひっそりと吐く。
だから嫌なのに。
いつでもうっとおしいくらい近くにいるのが当たり前になりすぎて、たまにいない時には、
こんなにも…。
熱っぽい瞼は重く、ぼやける視界を無視して瞳を閉じた。
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