しゅごキャラ!
□嘘をついてもいい日
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「わ、別れましょ…」
「!!」
歌唄の言葉に驚く空海。
(そうだ。これ、嘘なんだっけ…)
昨日のことを思い出した空海も作戦通りに動く。
「お、俺も歌唄と同じこと思ってたんだ…」
「…え?」
予想外の空海の言葉に戸惑いを隠せない。
「じゃあ…終わりでいいのね?私たち…」
それでも歌唄は意地を張ってしまう。
「いいのか?」
「え?…きゃっΣ」
いきなり空海に抱き寄せられ、ドキドキしながらも焦る歌唄。
「お前はそれでいいのかよ」
「…っ何よ、二人とも同じ意見なら…それでいい、じゃない…」
歌唄は涙をこらえるのに必死だった。
本当はエイプリルフールの嘘だったのにこんなことになるなんて、と。
「こんな時にまで意地張るんじゃねぇ!!!」
「!!?…空…海…?」
「泣きながら意地張ったって…辛いだけだろ!」
そんな空海の言葉で歌唄は何かが吹っ切れたかのように叫ぶ。
「…何よ!私はただ…ただエイプリルフールの嘘で言っただけなのに…!!!ただそれだけなのに…泣くに決まってるじゃない!!」
「歌唄…っ」
「離して!!空海は私と別れたいんでしょ!?私が嫌いなん「好きだ歌唄!」」
泣き叫ぶ歌唄を抱く力を強くして空海も叫ぶ。
「悪い歌唄…知ってたんだ、歌唄が俺を騙そうとしてたこと。それで俺もお返ししようって…」
「…エル?」
「あ、ああ…」
「えっと、それじゃあ…」
「ああ、別れたいと思ってたなんて嘘。ずっと一緒にいたい」
「………バカ!!!(殴)」
「痛っ!!悪かったって!!!」
謝りながらも歌唄の顔を見ると空海は固まった。
びっくりしすぎて動けなかった。
だって…。
「〜〜うぅ…バカ!!空海のバカぁ//!!!よかった…よぅ…」
そんな歌唄を見て思った。
嘘をついてもいい日
(そんな日、一年に一回で十分)
*end*
→あとがき