しゅごキャラ!

□出せない手紙
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私は今、中学生。


小学校卒業から一年が経った。


小学校から中学校はエスカレーター式だから親友のあむ達は同じ学校にいる。


年下のやや達にだってすぐ会いに行ける。



でも、一人足りない。

一緒にいた仲間が一人いない。


彼は踊りの修業のため、留学してしまった。




『きみの物語の登場人物になれないかな』



留学前に彼はそう言っていた。


あの時はその言葉に答えられなかった。


だって、私はてっきり彼が好きなのはあむだと思っていたし…。


私は彼に意地悪なことばかりしてきたし言ってきた。


だから、あの言葉の意味に気づいてなかった。



日本を離れる日、私たちが空港まで送りに行った時に言った言葉で私は初めて気づいた。



『りまちゃん、寂しい?』

『…別に』

『そう…。りまちゃん、僕のこと嫌いだもんね』

『そ、そうね嫌いよ』

『じゃあ…楽しみに帰ってくるのまっててね?』

『…なんでよ』

『りまちゃんが僕だけを見ててくれるような男になって戻ってくるよ』



あの言葉で初めて気づいたの


なぎひこの気持ちも、私の気持ちにも。



でも気づいたのが遅すぎた。



結局、何も伝えることができなかった。



だから、彼宛に手紙を書く。


学校であったことや、親友の笑い話


伝えられなかった想いを…


ねぇ、なぎひこ


今あなたは、お稽古を頑張ってるのかな?


私の想いを告げたら困る?


まだ、登場人物になってくれる?




貴方に手紙を書くのは何度目だろう

(一度も出せたことはないけれど)





「好きよ…なぎひこ」



溢れる想いは止まることを知らない…。








M.I
お題、お借りしました。
 

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