その他

□甘美な響きに
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なあ、と俺が出ているドラマが流れるテレビの画面を真剣に見つめる宮田に声をかける。

すると、んー?と目線はテレビから離さずに声だけが返ってきた。



「ドラマ面白い?」

「面白い!あ、というより…」



タマがカッコいい!なんて、ふにゃりと笑いながら言ってくる宮田に少し驚いた。



「え、なに、お前ドラマが好きで見てるんじゃないの?」

「んー、ドラマの内容的にも好きだよ、こう…きゅんきゅんするじゃん?けど…」



流していたドラマを一時停止している宮田を眺めながら俺は、きゅんきゅんとか、お前女子かよ!なんて心でつっこみつつ、次の言葉を待つ。



「やっぱりタマが出てるからってのが最大の理由。大好きなタマが出てるのに見ないわけないじゃん!」



そう言って最高にキメ顔している宮田を見て、俺はどうしても口元が緩んでしまった。

だって、だって、可愛い!
なにそれ!ヤバい!

完全に緩みきった顔の筋肉をどうにかならないものかと、誤魔化すように嫌な顔をする。

すると宮田のダサいキメ顔が徐々に崩れていく。



「そんな嫌な顔しなくたっていいじゃんか!」



ぷいっとまたテレビのほうを見て、ドラマを再生しようとしている。
そうはさせるか、とテレビのリモコンを遠くに投げると、そのまま俺は宮田を後ろから抱き締めた。



「た、たま?」

「うっせー、黙っとけ」



もう、いいだろ?
テレビの俺じゃなくて、今目の前にいる俺を見ろよ。

河村恭之介じゃなく、玉森裕太を。


だってもう少しで…


ちらりと時計を見て秒針を確かめる。
秒針の動きと自分の心臓の動く速さが一緒でちょっと驚いたが、心臓の音を聞きながら心の中でカウントダウンを始める。


10…9…8…7…6…


あと5秒、その時に宮田をぎゅっと強く強く抱き締めた。

はわっ!と腕の中で困ったように頭が揺れたが、すぐ大人しくして腕に収まっている。


3…2…



「宮田、」



宮田の耳にわざと唇をかすらせるように名前を呼ぶと、びくっ!と肩が揺れた。なんて可愛い反応!



「誕生日、おめでとう」



顔を真っ赤にして、た、たま!と首だけこちらを向いてきたところを宮田の頭を押さえ、無理やりキスをした。

ただ触れあうだけの子供のキスなんかじゃなく、大人の、エッチな深いやつ。



「ふ、んぅ…っ…」



苦しそうに顔をしかめたところで離してやると、その場に崩れて顔を真っ赤にしながら肩で息をしている宮田。



「25歳なんだからもっと体力なんとかしろよ。あ、それとも年取ったからもう…」

「違うわ!ていうかたった今25歳になったばかりだし。これから鍛えるもん…」

「嘘、いいよ別に鍛えなくて」



これはなんとかしなくちゃダメだけど、と宮田のお腹の肉をつまむ。



「た、たまのバカ」

「…プレゼントあーげない」

「ごめんなさい」

「早ぇよ」



二人で床に座り笑い合う。
それが凄く幸せで、温かい。
この温かさは、きっと宮田のこの笑顔があるから。



「プレゼント、俺だから」

「え?」

「ねぇ宮田、何したい?」

「…たま、」



甘美な響きに身を委ねて

(貴方に全てを捧げます)




(たま、…や、たまぁっ…)
(宮田、産まれてきてくれてありがとう)
(ちょ、大きくしないで…っ)
(…優しくできないかも)





end




というのを昨日の夜から打っていて、寝落ちしました←


とにかく宮田、誕生日おめでとう\(^-^)/


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