二次


□短編
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questions.




 暗闇の中、僕そっくりの僕が目の前に現れた。僕は語り始める。
「僕は人の思考を読めるんだ」
『嘘だね それはただの強がりだ』
「嘘じゃないさ。手に取るように分かる」
『それは気を引く為の嘘さ 分かったふりをして決めつけるだけ
注目してほしいんだよね そして僕のことを理解してほしいんだよね
期待するんだ 今度こそ僕のことを分かってくれるんじゃないかって
でも駄目だった 裏切られた 皆僕とは違ったね 違う人間 違う生物
僕は人の思考を読めるんだ』
「やめろ」


 『僕は僕の為に、自分に嘘を重ね続けてる
いつまで続けるつもり? いつまでも続けるつもり?』
「やめろって言ってるだろ」
僕そっくりの僕は小さい僕に変わった。小さい僕は語りかける。
 『僕は僕が分からないよ 僕ってなに? 僕はいたの?
本当の僕は誰? 本当の僕っていたの? 本当の僕の気持ちは、』
「やめろ!」


 小さい僕が水瓶を抱えた男に変わった。男は語りかける。
『お前、本当にこれでよかったのかよ?』
「君には関係ない」
『自分の事なのに分からねえのか』
「うるさい」
『誤魔化してたら、何も解決しねーぞ』
「うるさい。消えろ!」
男は消えた。



 暗闇の中、僕は一人だった。
このまま一人? 永遠に一人?
一人は、



 
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