Second love 〜初恋の人に似てる君〜
□フランと二人。
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「…!スクアーロ!!」
「う゛ぉぃ…遅くなったなぁ…。美流は無事かぁ?」
「多分…。それより早く…!」
「あ、あぁ…!」
そう言うと、スクアーロは一直線に美流の部屋まで走っていった。それにベル達も続く。
「う゛お゛ぉい、フラン!輸血用の血、持ってきたぞぉ!」
珍しく慌てた表情で、フランが振り向く。
「…!早くここに吊るして下さいー!」
「あぁ」
そして、チューブをつなぎ、血を通した。すると、幻術の血を入れた時と同じように、顔に赤みが戻ってきた。
「これで一安心…ですねー」
「本当によかったわぁ!」
ルッスーリアは涙ぐんでいたようだった。他の人は泣いてはいないが、ホッとしているようだった。
****―美流夢の中―****
『美流っ!』
『美流ちゃん!』
みんなが呼んでる…。
日本の…日本にいる両親。友達。
『バイバイ。美流…』
『バイバイ…』
『バイバイ…』
待って!行かないで!待ってよ!待っ…て…。みんな!
『美流…』
…誰?私を呼ぶのは…誰?
『美流はここにいればいい』
そこは…どこなの?私の知ってる場所なの?
『何言ってるんだぁ?ここはイタ……のヴァ……だろう?』
えっ?何?聞こえないよ…なんて言ったの?
『こっちに来れば分かるでしょう?』
そうだね…。みんなには置いていかれたし…。そこに行く。行きたい!
『じゃあ、ミー達と行きましょー?』
うん。そう言って、差し出された手をとる。ところが、触ろうとするとすり抜けてしまう。
いやっ!待って!一人にしないで…――――――!
「いやぁぁぁ!」
「美流…!?」
「みんな…いる…。よかった…よかっ…」
安心してポロポロと涙がこぼれてきた。
「姫…泣くなよ…」
そう言って背中をさすってくれたベル。
少し落ち着いたところで、自分の腕に輸血用チューブが繋がっているのが目に入った。
「この血…どうしたの…?」
「カス鮫が貰いに行った」
「そっか、スクアーロが…。ありがとう。みんなも、ありがとうっ…ッ…」
「何で…泣いてるの?」
「え?いや、私はみんなのおかげで今ココに…生きてるんだと思うとね…?…私、この命を無駄にしない。ヴァリアーに来てから、もしかしたら死ぬかも…とか思ったりしたんだ…。けど、もうそんな事思わない。…本当にありがとう!」
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