Second love 〜初恋の人に似てる君〜
□ベルと特訓。
1ページ/2ページ
三日後…
私はベルと一緒に中庭にいた。
「今日はベルと特訓だねっ!」
「…大丈夫?まだ三日しか経ってないじゃん」
と、少し心配そうなベル。
「とか言ってー。本当はベルだって暴れたいんでしょ?」
「ししっ…ばれた?」
「バレバレだって。じゃ、始めよう!」
「まずはゆっくりな。カス鮫よりは王子優しいから♪」
「スクアーロだって優しかったよ。何度も言うけど、私が避けられなかっただけ!」
「…あっそ」
ベルの顔から笑顔が消えたかと思ったら、
ヒュッ…
ナイフが目の前を通り過ぎた。
「うわっ!いきなり投げないでよ!」
「始めようって言ったの姫じゃん」
そう言って連続で投げられるナイフ。
ヒュッ ヒュッ
「それはそうだけど…って、どこがゆっくり!?」
「ししっ、投げた後は王子の知ったことじゃねーし♪」
ヒュッ ヒュッ ヒュッ…
「いじわるだなぁ…」
ピッ…
「あれ…?切れてる。何で?ナイフは避けたはず…」
そう。ナイフはしっかりよけたはずなのに、腕や頬に数カ所切り傷ができていた。
ピッ ピッ…
「…!?また…」
「しししっ、気づかねぇ?」
その時、太陽の光が反射して、私の周りで何かが光った。
「…ワイヤーかなにか?」
「ししっ、正解♪動かない方がいいぜ。体中切れて、血だらけになるから」
「へぇ…。計算して投げてたんだね!さっすが天才!」
「ししっ、当然。だってオレ王子だもん♪」
「そーだね、王子さま!」
そう言って微笑むと、ベルは機嫌が良くなったらしく…
「じゃ、姫に特別見せてやるよ。オレの通り名、プリンス・ザ・リッパーの特別な技」
と言った。
「特別な技?」
「今までに逃れた奴はボンゴレ10代目雲の守護者、雲雀恭弥だけ」
「雲の…守護者」
「あー、姫には絶対無理。同じ雲でもあいつと姫は違うから♪」
「…なーにそれ」
「見たら無理だって分かるよ」
そう言って笑ったベルが手を合わせて広げると、ナイフがベルの周りを囲んだ。
「すご…マジックみたい…」
そのままベルが指揮をするように手を動かし出した。
「ナイフで奏でる切り裂きワルツ」
指を器用に動かして「行けっ!」と言うと、1ヵ所に集まって地面に刺さった。
.