Second love 〜初恋の人に似てる君〜
□ベルの延命作戦。
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「…くっ…」
「美流ちゃん…大丈夫?疲れてるんじゃ…」
「大丈夫!」
ベルの延命作戦が始まって一時間が経とうとしていた。
傷口は、ルッス姐さんの匣のおかげである程度ふさがってるから血は出てないけど、相変わらず苦しそうな表情のままだ。
「…やっぱり私の力じゃ無理なのかな…」
そんな事をつぶやき始めた頃だった。さらに追い討ちをかけるように、フランから通信が入った。
「…フラン?えっ?輸血がもらえない?そう…だったら早く戻ってきてちょうだい。こっちは大変なのよぉ!」
「…どうしたの?」
「なんか…輸血がもらえないらしいの。時間の無駄だったわね…。でも、どうしましょう…」
「輸血できない以上、ベルの生命力に賭けるしかないよ」
ベル…お願い…お願いだから…死なないで…!
そう願った時だった。
「…ッ…」
「ベル!?」
「…美流…?」
ベルが目を覚ました。
「…ッぁ…うっ…ベル…よか…った…」
「ししっ…王子がこんなんで死ぬわけねぇじゃん…」
「ベル…」
ベル…明らかに元気ないよ…。
私を泣き止ますためにわざと元気に振舞ってるの…バレバレ…。
「…ッ…バカ!ベルのばかぁ!どれだけ心配したと思ってんの!?」
「ししっ…悪ぃ…」
「…いいよ。それより、まだ喋っちゃだめ。寝てて」
「ん…。分かった…」
そう言うと、ベルは規則正しい寝息をたて始めた。
「これで一安心ね」
「後は美流ちゃんがいてあげれば大丈夫だよ。私は行くね」
「うん…。ありがとう」
そう言って二人が部屋から出て、私とベル、二人が残った。
暫く椅子に座ってベルを見ていたけど、いつの間にか寝てしまっていたようだった。
そして、私は夢を見た。
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