Second love 〜初恋の人に似てる君〜

□雲は翔雲。
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「翔雲は…ヴァリアーの雲の幹部になるはずの男だった」

「翔雲が…ヴァリアーの雲の幹部!?」

ボスの口からは、にわかに信じられない言葉が出てきた。


「そうだ。あいつが撃たれて死んだ日は、あいつがヴァリアーアジトを、両親と共に訪れてきた日だった」

「…どういう事?」

「あいつがヴァリアーアジトから出てきたという事で、ヴァリアーの仲間だと思われたんだろうな」

「じゃあ…翔雲は…ヴァリアーの人間と間違われて撃たれて死んだって事?」

「そうなるな」

「…そん…な…」




意味が分からないことが多すぎる。

まず、翔雲はマフィアだったの?とすると、おじさんも、おばさんも?

なんで私に黙っていたの?

もしかしたら一生会えない可能性だってあったわけでしょ?
現に翔雲は死んじゃったわけだし…。


なんで…。どうして…。



「今回の任務はその犯人と思われる人間の暗殺だった。…だからお前を連れて行かなかった。冷静な判断ができなくなる…、そう言いだしたのはカス鮫だ。ところが、援軍を呼んだらしく、思いのほか手間取った。結果、ベルがあのザマだ」

「ベルのこと、悪く言わないで!…ぁっ…ごめんなさい…」

「ハッ、まぁいい」

「私を思っての判断には感謝してる。けど…ちょっと一人で考えさせて…」

「あぁ」



そう言って、私はボスの部屋を出て、自分の使っている部屋に戻った。




「…ッ…翔雲ッ…なんで…なんで言ってくれなかったの…?…っ…なんで…?」






翔雲と私は幼なじみだった。

もともと同じ幼稚園に通っていて、小学校に上がって、私は親戚に預けられた。そして、家が隣になった。

それまではあまり話したことが無かったけど、一緒に学校に行くうち、仲良くなった。


気づけばいつも一緒にいた。毎年一緒に写真を撮った。けど、それも6年で終わりになってしまった。正確に言えば5年と少し。


その少しの時間で、私は翔雲に恋をしたんだ。

色素の薄い髪と瞳。整った顔。私よりいつも少しだけ高い身長。意地悪なところも…全部―――。



ベッドにふせて泣いた。
どれだけ泣いたか分からなくなるまで泣いた。
泣くのに飽きるまで泣いた。



そして涙が出なくなって、顔を上げた。顔を洗い、お腹がすいている事に気づいた。




「そういえば、夜ご飯食べてないや…」




私は食堂に向かった。







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