Second love 〜初恋の人に似てる君〜

□しばしのお別れ。
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次の日。日本を経つ前に、私はツナに紙袋を渡した。

「これは?」

「えっと…私たちが行ったら開けて?」

「うん、分かった」


ツナがうなずいたのを見て、私はみんなの方に向き直った。


「じゃあね、みんな。バイバイ!」

「バイバイ、美流ちゃん。またねっ!」

「また遊びに来てくださいね!」

「うん、きっと!今度はもっとゆっくり」



そこまで言って、ボスに「行くぞ」と声をかけられた。




そうして、私たちはボンゴレアジトを後にした。









「何渡したの?沢田に」

帰路でベルにそう尋ねられた。


「ん?スクアーロと私だけの秘密」

「おい、カス鮫。なんだよ、秘密って」

「言わねぇ約束だからなぁ」

「残念でしたー」



ふふっ、と笑ってそう言うと、途端に不機嫌モードのベル。


「ふーん…。姫、隠し事するんだ。なんかやましいことでも…」

「ないよ!!」

「じゃあ言えよ!!」

「早速ケンカですかー?美流ー、堕王子なんかやめて、ミーにしましょーよー」

「はぁ?何言ってんだ、カエル!!」

「大丈夫。お互いのこと信頼してる上でのケンカだから」


私がそっと腕を絡ませると、一気にベルの不機嫌オーラが吹き飛んだ。


「ちぇっ」

「ししっ、残念だったな、カエル」





「早くしろぉ!置いてくぞぉ!」


スクアーロの声が前の方からとんできた。


「怪我人に無茶ゆーなっつーの!」

「でもー、本当はもう普通に歩けるんでしょー、先輩?」

「あ゛ん?無理だって。昨日走って、熱出したんだぜ?」

「とか言っても、歩けてますよー?」

「だってオレ王子だもん♪天才だしっ!治癒能力はそこそこ高いんだよ!」

「へぇ…そうなんだー」

「まぁ、昔、殺しの天才って言われてたのは本当の話らしいですけどねー」

「そうなの?」

「とーぜん。ま…今も、だけどな」

「うーん…。まだまだベルのこと知らないことだらけだなぁ…」

「これから知っていけばいいじゃん♪なっ?」

「うんっ」


すっかり二人だけの空気になっていたところに、フランがいつも以上に冷めた目で言った。


「バカップルー。ミーたち置いてかれてますー」

「やべっ!ちょっと急ぐか」

「うん」



ベルとしっかり手を繋いで、走りだした。








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