Second love 〜初恋の人に似てる君〜

□私のキモチ…。
2ページ/2ページ




「え…あの…キ…キ…」

「キス?」


平然とそう答えたベルに、さらに赤面する私。



「…嫌だよ。な…なんで…」

「なんで?王子に元気になってほしくないの?」

「そ…それは…なってほしいけど…」

「じゃあしてよ。…な?」

「…分かったよ…。すればいいんでしょ」

「ししっ」


そう笑うと、ベルは自分の服をめくった。

やっぱり少しだけためらってから、包帯の巻かれたお腹にキスをした。



「ししっ。姫、サンキュ。…姫?」


ベルは満足そうに笑ったあと、私の顔を覗き込んできた。

「ん?…熱…ある?」


ベルは私の額に手をあて、そう言った。


「…かもしれない…。けど…そうじゃないかも…」

「どっちだし」

「熱は…多分ない」

「じゃあ…何で?」

「分かってるくせに…。いじわる」

「いじわるだよ。姫かわいいから」

「理由になってないよ…」




…やっぱり…ベルと翔雲は似てる。
いつも私をからかって…笑ってる。

そんな翔雲が…好きだった。
でも翔雲はもういない。

…そして、ベルに惹かれてる自分もいる…。
だからいつまでも引きずっている訳にはいかない。


だから…だから…――――。




「ねぇ…ベル…」

「ん?」

「…私…ベルが好き…」

「えっ?姫が…オレを?マジで?」

「…うん」

「やべー…ちょー嬉しい」

「ベル、顔真っ赤」

「そんなん姫もだし」

「え、そうかな?」

「ししっ、可愛い」




そう言って私を抱きしめたベルは、「大好き。もうぜってー離さない」と囁いた。


それに応えるように、私もベルを抱きしめ返した。








.
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ