Second love 〜初恋の人に似てる君〜
□スクアーロと特訓。
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「おい、美流」
「はい。何ですか?」
「お前はこれから、戦闘に加われるように他のやつらに特訓してもらえ」
「特訓…」
「そして、その成果をテストする」
“テスト”というワードに、若干顔が引きつる。内容がなんであれ、テストなんて敵だ。
それが勉強なら、尚更。まぁ、今回のは勉強じゃなくてちょっと安心。
「だったらオレは、剣を使った戦闘を教えるぞぉ!」
「ししっ、じゃー…オレはナイフ使った戦闘でも♪」
「じゃぁ、ミーはー…」
「お前はちょっと来い」
次いでフランも何か言おうとしたとき、ボスがそれを遮った。
「ししっ、カエル、お前何かしたわけ?」
「堕王子じゃあるまいしー。別にしてませんよー。一体なんなんですかねー」
そう文句を言いながらも、フランは部屋を出ていった。
――――――
―――
―
「で、何でしょー?」
「お前は美流に幻術を教えろ」
どっかの堕王子と違っていい子ちゃんなミーが呼び出しかよーとか思ってボスの部屋についてきたのが数分前。
ミーの質問に対しての返答は意外なものだった。
「幻術、ですかー?でも美流は雲の守護者ですしー、霧の炎は使えないんじゃー?」
「あいつは霧も少し持っているようだ」
「そうですかー…。ま、頑張ってみますけどー、あんまり期待しないで下さいねー。では失礼しますー」
美流が霧も持っているのには驚いた。
でも、幻術って才能も必要ですしねー。
「お手並み拝見ーって感じですかねー」
そう呟いて、ラウンジに戻るために歩きだした。
――――――
―――
―
フランがボスに呼ばれていた頃美流は、さっそくオレと剣の特訓をしていた。
「初めてだろうからゆっくり行くが、それでいいなぁ?」
「はいっ!宜しくお願いします」
美流は今まで普通の高校生だったわけで、剣など握ったこともない。
まぁ、普通ってそんなもんだろぉなぁ。
「よし。いくぞぉ!」
オレはいきなり切りかかってみた。
「…ッ!」
美流はあと少しで切られる…というところで、持ち前の反射神経で飛びのいた。
ほぉ……反射神経はなかなかじゃねぇかぁ。
「ちょっ…タ、タンマ!」
「戦場ではタンマなんかねぇぞぉ!」
段々自分の方が熱くなってしまい、加減を忘れそうになっていた、まさにその時。
スパッ…
美流は避けきれなかった。
手首からは、ドクドクと血が流れている。
「う゛ぉい!美流!」
「うっ…スク…アー…ロ…さ…」
「う゛お゛ぉい!美流!しっかりしろぉ!!」
美流は気を失ってしまった。
手首を切ってしまったショックだろうか。
「ちっ…少しやりすぎたかぁ…」
オレはそう呟いて、美流を所謂“お姫様抱っこ”ってやつで抱き上げた。
そして、ヴァリアーアジトまで走った。早くしないと、出血多量で失血死してしまう。
「お前は死なせねぇ…。絶対にぃ!」
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