妖精の渡る土地
□未知のポケモンを捕まえろ!!(???編)
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「…………」
対面しているアユミは、驚きながらも目の前のそれをマジマジと見つめる。
蛇に似た身体で、鴬色の胴体を持っている。
頭と五つの鰭らしき物、胴体の外側は黒い外皮みたいなので覆われている。
目と思われる個所と身体の所々に虫の複眼にも似た模様があり、しかも時折白く点滅している。
「……何と言うかさ。……コレはポケモンじゃなくて、エイリアン的な何かじゃね?」
「いや、アユミさん! 言ってる場合じゃないですぅ!!」
「ギャオォオオオッ!!!」
思わず呑気なコメントをつぶやくが、ルオンの叫びと目の前のポケモンの咆哮に我に返った。
「イカンイカン。このままでは俺が補食されてしまう」
「いや、今のやり取りの間でも、十分その危険あり過ぎてましたけど」
「気にするな。……ルカさん!」
ルオンの控えめなツッコミは無視し、アユミはボールからルカを出した。
『はい! 呼ばれちゃいましたー!』
「ルカさん。目の前の獲物をゲットする。弱らせるだけだぞ」
『はいはーい。任せて……』
アユミの指示に意気込むルカだが、目の前のポケモンを見た瞬間、思わず目を丸めてしまった。
『ななな……なんですか、これはーーー!!?』
「あ。やっぱりルカさんも知らないか。じゃあやはり隠された未知のポケモン……」
「アユミさん。だったらフェルノで戦った方がいいんでは?」
わずかに妖しい笑みを浮かべたアユミに、ごく普通に話し掛けるルオン。
が、アユミは「ダメだ」と首を振る。
「いやな? フェルノさん、レベルがもう100になっちゃってんだよ。間違って沈めちゃう可能性出てんだよな」
「まあ……Lv90&メガシンカ無しのルカなら、たしかにLv70相手を沈めずに済みそうですけど」
『だからボクに白羽の矢が突き刺さったの!?』
未知のポケモンの対面に選ばれた理由に、思わず泣きそうになるルカだった。
「無理はさせないから。ゲットまで粘ればいいだけだって」
『やだっ! こんな変なのの相手なんか……』
「リッチスイートポフレ10個」
『頑張っちゃいます!』
「それで頑張れるんですか、あなたは」
泣きそうルカを瞬時に心変わりさせる。彼女を胃袋で掴んでいるアユミだった。
そしてそんなルカに、思わずルオンがツッコミを入れる。
「(あの蛇モドキのタイプはまだ不明……適当に技を撃つか)ルカさん、竜の波動」
『はい!!』