妖精の渡る土地
□とある日のバトルシャトー2
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「……どーしたものかな」
「どうしたものでしょう」
とある日のバトルシャトー・パート2←
アユミ、ルオンは手持ちポケモンたちにサイコソーダを振る舞いながら、小部屋で一息着いていた。
「爵位がダッチェスとデュークに昇格した途端、こう……一気に怒涛の如く攻められてない?」
「トレーナーの数が半端無いですよねぇ。10人程、連続で襲われますし」
「その間にまた少しやってくるし……まあ稼げるからいいけどさ」
「その分僕らの分け前も上がりましたしねぇ」
「だからって疲れんだよ!! よかったよ、今作が学習装置全体化で!!」
サイコソーダの瓶を片手で粉砕しながら「一体一体は疲れるわ!!」と吠えるアユミ。
『ああ、マスター……御労しや……』
それを遠巻きで見ているのがポケモンたちだった。
フェルノはハンカチを片手に涙ぐんでいる。
『ミャ〜……たしかに疲れる数だもんね〜』
『はい〜。何せ全員片付いた頃に、一人か二人がやってきますからね〜』
のんびりとミヤ(ニャオニクスに進化した)とヴェレーノは、騒ぎ立てるそれぞれの主を見ながらそうつぶやく。
連戦に次ぐ連戦で、アユミもルオンはもちろん、戦ってるポケモンたちもくたびれているのだった。
『振袖っ娘を中心に襲撃してるからね。あと意外とやってくるジムリーダーとか』
『ジムリーダーさんもそうだけど、振袖さんたちのタブンネが一番効率良いよね!』
『経験値半端ないしね〜。さすがタブンネ。おかげでミヤのレベルがガンガン上がったし』
ルカ、イデア、ハリボンも、これまでの戦闘を振り返る。
マーショネス・マーキスに昇格した時からそうだが、意外とジムリーダーたちも結構来る。そのうち、何故かゴジカと対面することが多かった。もうかれこれ5回はバトルシャトーで戦っている。
振袖を来たトレーナーたちは経験値の塊とも言えるタブンネを連れており、そのおかげでミヤはあっという間に進化してしまった。
完全に権力万歳である←
『とうとうヴェレーノもレベル100だし……これで僕も『毒づき』から鋼の『ラスターカノン』覚えたし、もう怖くないね』
『ええ。……もっとも』
ルカの言葉に喜ばしく、だが、フェルノはすぐに苦い顔する。
『……正直、私はまだ彼らが心配ですが』
フェルノはつぶやき、ある方向へ視線を向けた。
それに従うように、他のポケモンたちもそこへ視線を向ける。