text(虎兎)

□恋は嵐のように4
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再び、10月某日とあるBARにて。

『で、なんなんだよ、結局のろけようって腹かよ』
苛立ちと動揺を隠しもせず、牛が俺に向かって言った。

『そうじゃ、ねーよ。』
俺はカウンターに頬杖をつき、牛のジト目を見返した。

『じゃあなんだよ。お互い気持ちに気がついて、あらやだ、じゃあ付き合うか的な流れだろ。ふつう。まあ、お前もあいつも男だけどな』
フンっと鼻で笑ってみせると、はぁ、と今度は溜息をついた。

『まあ、こればっかりは思うようにはいかねえな。』

グラスに入った酒を飲み干して、バーテンにまた手を上げた。
そりゃ、親友が、今の今までノーマルな、結婚もして子供がいる男だと思っていた奴がだ。
仕事の同僚でしかも男で、自分の知ってるやつで、、、とくりゃ言いたいことは山ほどあるだろう。
逆なら俺だって文句を言うに決まっている。

『確かにバーナビーはいい奴だがよ、虎徹。気の迷いじゃねえのか』

そうだな、いっそその方がいいのかもな。
誰にも祝福されないのは目に見えてる。楓になんか、シカトどころか殺されそうだな。

『ああ、俺もそう思いてえ。』

俺が項垂れると牛はまた、はぁ、っと溜息をついてから言った。

『それから何があったんだよ』

優しい親友は、どうやら何も言わず続きを聞いてくれる事にしたらしい。
俺は上体を起こし、今朝からの出来事を話すことにした。

『昨日の夜あんなことあったばっかりで、今朝はすげー緊張して出勤したんだ、俺は…』
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