本日もまた晴天なりにて
□プロローグ
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彼女から流れる涙が私の胸に染みをつくる。その手で、くしゃり、と白いシャツを握りしめて、顔がしょっぱくなるのではないかという程に濡れている。彼女は上ずった声で私に問うた。
“ほんとうにいいの?”
“はい。”
彼女は目を見開いた。そして先程の私の言葉を飲み込むように唇をもごもごさせ、確認するように言った。
“普通の人のようには、なれないんだ
よ。”
“そうでしょうね。”
彼女がまた何か言う前に優しく抱き締める、もうなにも言わなくてもいいんですよ、それに私、覚悟はとっくの昔にできてるんです、
あなた―サヤ―とまた逢えたこの時から。