本日もまた晴天なりにて

□プロローグのプロローグ
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少女が孤独を感じたのは二回目の人生を終えた時だった。最初の人生で最愛の弟だった人間に敵として、殺された。誰も自分を覚えていない、ねえ誰か私に気付いて。思い出して。
少女は特殊だった。死んでも記憶があり、前世何をしていたか覚えている、誰かを愛した美しい記憶も誰かを殺した残酷な記憶も。少女はそれから、裏切られても、捨てられても、殺されても、我慢し続けた。人を嫌になりそうな時もあったが、その度にまた人の優しさに触れた。何度か繰り返して人を好きになった。人以外に縋るものがなかったのかもしれない。
少女は何度も恋をした、だが出逢いがあれば別れだってくる。一番辛いことだった。少女は短命でもあった。人間の寿命で40年ぴったりしか生きられない、ずっと貴方と一緒にいたいのに、どうしていけないの。どうして私は普通の人じゃないの。
唯一メリットになったことは若い肉体のままいられることだった、最初の人生の時の姿で生まれてくることが多かったが。若さに溢れる体は少女に沢山の挑戦をさせた。少女は多芸となった。身に付けた技能で沢山人を助けた、少女自身の自己満足でもあったが少女はそれでよかったのだ。
こうして何度も死んで何度も生まれた。色んな人間になった、男にもなった、一つの国を救う為に巨大な妖狐と闘ったり、生け贄の巫女として魔物に喰われたり。猫の回数といい勝負かもしれない。
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