長編

□天を穿つ深緑の狙撃手
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「何でだ?」

<マスターが世界から一度でも戻ることを拒んだことで喩え座標が分かっても行けば次元震が発生するようになっているからです。>

「次元震って……それじゃ危険過ぎてニールさんは戻れないよ。」

「次元震ってそんなに危険なのか?」

「……下手すれば星一つ跡形もなく消すぐらいの威力にもなります。しかも一度発生すると自然に収まるまで止める手立てはありません。話を戻しますが、機動兵器ってなると質量兵器で戦うってことですよね?」

それじゃあどっちにしたって戻るのは無理だな。

「ああ、まあ俺たちが乗っていたガンダムはほとんどビーム兵器だったがな。」

<…一応言いますが、この世界では質量兵器は基本的に使用禁止です。>

「じゃあ、どうやって戦うんだよ。」

<それは…魔法です。>

は?

あり得ない。

「何言ってんだよ。いくらなんでも…。」

「本当です。私も使えますから。ね、レイジングハート。」

<はい。>

見るとなのはの胸元に赤くて丸い宝石の付いた首飾りから声が発せられた。

「それもデバイスっていう奴か?」

「はい、私のデバイスのレイジングハートです。」

<初めまして。>

「お、おう。」

少し戸惑いがあるが挨拶を返す。

<それで、名前は決めて下さいましたか?>

ハロ……って感じじゃねえし、他にしっくり来るものはないしな。

「なら、デュナメスにしよう。」

<了解、デバイス名『デュナメス』登録完了しました。>

「でも、リンカーコアはニールさんにはあるの?」

<あります。私がこうして創り出されたのが証拠です。>

リンカーコアについては追々デュナメスに聞こう。

「なら問題ありませんね。…あ、もう戻らなきゃ。それじゃまた来ます。お医者さんから“くれぐれも動かないように”とのことです。」

分かったと俺が言ったのを最後になのは部屋を退室した。

「…さてと、話してる時は言いそびれちまったが、宜しくなデュナメス。」

<はい、マスター。>

なんでこの世界にいるのかは分からねえけど、まずは戦いのケガを治さねえとな。


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