長編

□天を穿つ深緑の狙撃手
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―それから数ヶ月の間は治療に専念した。

不思議なことに右目等の怪我は疑似GN粒子を浴びたにも関わらず、再生が進み見事に完治した。

疑似GN粒子を浴びると通常は細胞組織の破壊だけでなく、再生をも阻害してしまう。

ジョイス・モレノから負傷した時に治療がてらに話を聞かされた。

だがまあ、ありがたいと言ったらありがたい。

右目がないとスナイパーとしての力を発揮出来ない。

現在はこの世界で最初に話したなのはから彼女の友達に俺を紹介したいということで、その友達の一人のフェイトの実家に来ている。

ピンポーンとなのはがインターホンを鳴らす。

そこから長い金髪の赤い瞳が特徴的な女性が顔を出す。


「あ、なのはいらっしゃい。その人がニールさん?」

「うん、そうだよ。」

笑顔で応えるなのは。この娘は笑顔が本当に似合う。

「初めまして。俺の名前はニール・ディランディだ。」

「フェイト・テスタロッサ・ハラウオンです。宜しくお願いします。」

律儀にお辞儀をするフェイト。

「宜しくな。それと別に敬語じゃなくていい。俺も最初からこんな感じだしな。」

「はい、じゃなかった。うん。」

「じゃあ、早速お邪魔してもいい?」

「うん、二人とも入って。」

「お邪魔します。」

なのはが先に入って靴を脱ぐ。

俺もそれに習って靴を脱いだ。

家の中に入る時に靴を脱ぐという習慣は日本特有の習慣で俺はアイルランド出身だからそういう習慣はない。

だが、刹那が日本で仮の拠点を設けていたこともあってスムーズに済んだ。

「ニールさんは確かアイルランド生まれなんですよね?」


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