長編
□深緑の輝きは癒しと未来を創る光
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ライルside
俺がアインハルトに襲われて気絶して、目が覚めたら何故か病室にいた。
「あっ、気が付きましたか?」
女の声がした方向を向くと、青い長髪で何所か組織らしき制服を着た18〜20歳ぐらいの女が丸イスに座っていた。
「ああ、あんたが俺をここまで運んでくれたのか?」
「いいえ。発見したのは民間人の方です。私はあなたに質問があって来ました。それと、申し遅れてしまいましたが、私の名前はギンガ・ナカジマといいます。」
「なら、名乗らねえとな。俺の名前はロックオン・ストラトスだ。よろしくな、美人さん。」
「や、やだ、美人なんて…ってそうじゃなくて!」
結構生真面目だな。
「いや、何ていうか、ついからかいたくなっちまって。」
「はあ…そういうところは二ールさんと似ているんですね…。」
…おい、今この女はなんて言った?
自分でも分かるくらい目つきが厳しくなっていく。
「…今、二ールって言わなかったか?その名前を何処で聞いた?」
「き、聞いたも何も、会ったことがあります。むしろ一緒に仕事をしたこともありますよ。」
それを聞いた俺はギンガの両肩をがっしりと掴む。
「頼む、その人は俺の兄さんかもしれないんだ!!」
俺は、必死だった。この世界に、ただ一人の家族が生きているかもしれないのだから。
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