長編

□深緑の輝きは癒しと未来を創る光
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ライルside

突然サバーニャごとブラックホールみたいなものに飲み込まれた俺は一度気絶した。で気が付くとそこにはライトグリーンの髪と妙な格好をした見た目が18歳ぐらいのお嬢ちゃんが気絶していた俺に押し倒される形になっていた。

慌てて離れて周りを見たら空も大きな恒星が見えたり景色も見たこともない形のビル群と地球と明らかに違う。

しかも俺の格好はパイロットスーツではなく、ソレスタルビーイングの制服だ。

だが、そんなのは問題じゃない。

今の問題は、目の前の嬢ちゃんが襲ってきていることだ。

正直、何で襲われているのか分からない。

「ちょっ…うおあっ、危ねえなおい!!」

右ストレートやハイキックを紙一重で避ける。

さっきまでELSと戦っていたから、すぐに見切れるがなかなかに速い!

「避けるとは、やりますね。ですが、これはどうですか?」

バックステップで距離を取ろうとした途端、俺の右腕からライトグリーンの色をした光の鎖が現れた。

当然、俺は対処できずに腕を拘束されてしまう。

そこに左ストレートを繰り出してきたアインハルトの拳を左手で掴む。

何てパンチしやがる、掌がすげえ痛え!

「くっ!?何だこりゃ、まるで魔法みたいに……!」

「いえ……本当に、魔法なんです。」

俺の知る限りではこんなこと、ELSでも出来ねえ。

[これがこの世界の現実なんですマイスター。この世界では魔法を科学的に使用しているというのが一般的なんです。]

「何だ、どこから声が?」

[マイスターのズボンのベルトに付いています。]

見ると、確かにズボンのベルトにサバーニャの2つのホルスタービットを合わせてキーホルダーにしたものが付いていた。見る限り、ライフルビットも入っているようだ。

声は、アニューとそっくりだ。

「いつの間に……。」

[マイスター、私は貴方と共に戦ってきたガンダムサバーニャです。]

「は?何を言って、だはっ!!」

驚きのあまり、手を離してしまい左フックを腹に喰らってしまった。

幸い腹筋を鍛えていたのと後ろに少し下がったことでダメージはそんなにない。

それよりもガンダムサバーニャって、あれだけの大きさのものがこんな小さな端末になったってのか!?

[GNドライヴでしたら内蔵されていますのでご安心下さい。]

「いや、そういう……問題じゃなくてだな……。」

あまりに色々不可思議なことがあって内心頭を抱えてしまう。

「私を嘗めてるんですか?デバイスを持っているのに使わない、しかも会話してるなんて!」

サバーニャと会話しながら攻撃を捌いていたのが気に入らなかったのか苛立たしげに連撃を放ってくる。

それを俺はぎりぎり左手と左足で捌くが、いい加減左手が動かなくなってきた。

多分、あの激戦からすぐここに跳ばされてきたから疲労も相当に溜まっているのだろう。

アインハルトは埒が明かないと思ったのか、一旦距離を取った。

「ぐっ、別に嘗めてねえさ。色々慣れてないことばかりで、くうっ……。」

いきなり力が抜け、膝を着いてしまう。

[マイスター!?しっかりし……。]

そして疲労がピークに達したのか、サバーニャの声を聞き終わらないうちに俺は意識を失った。


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