長編

□深緑の狙撃手VS赤き傭兵
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―はやての機動六課設立の話が終わり、早速訓練をすることになった。

俺はフェイトが隊長、シグナムが副隊長を務めるライトニング部隊に配属。

理由は俺が戦闘向きなこと、もう一つのスターズに入れるとティアナとポジションが被ること、そしてライトニングの隊員二人は戦闘経験がない上にフェイトやシグナムは度々隊舎を離れなければならなく、身近で二人のサポートをして欲しいという様々な事情が絡んでいるからだ。

…それにしても、ライトニングの隊員でフェイトが保護しているっていうエリオとキャロがまだ10歳って聞いた時は驚いたぜ。

戦いにこの子たちが自分から入っていくことになるなんて…。

理由がありそうだから自己紹介がてら聞いた方がいいな。

そうやって考えていたら、スターズの隊員となったスバルとティアナが俺に近づいてきた。

「ニールさん、お久しぶりです!」

スバルが元気よく声をかける。

二人とも茶色の六課の制服に身を包んでいた。

確か、スバルが15歳で、ティアナが16歳だったか?

二人とも大きくなったな。

「ん、おお、スバルとティアナか。久しぶりだな!訓練校以来だが元気だったか。」

「はい!まさかニールさんとチームを組めるとは思っていなかったので…。」

「これも何かの縁だ、宜しくな!…ティアナも宜しくな。」

だが、ティアナは黙ったままだった。

ああそうか、ティアナは姉妹と間違えそうになるぐらいラーナと仲良かったんだよな。

「どうしたの、ティア。」

ティアナは俯いて顔が見えない。

「あの…ニールさん。」

ティアナの顔は今にも泣きそうな顔だった。

「ティアナ、お前の言いたいことは分かる。……お前としてもラーナのことはショックだっただろう。」

「あ…。」

何故ティアナが俯いているのかが分かったスバルからさっきの明るい表情が無くなっていく。

「いえ、私はニールさんが心配で!でも、武装隊じゃなかなか会えないから……。」

ティアナにいつの間にか気を遣わせてしまっていたのか。

「…俺なら大丈夫だ。確かにラーナがいなくなっちまったのは辛かったが、それでも俺は彼女のためにも俺自身のためにも止まるわけにはいかない。けどありがとな、ラーナのことを覚えていてくれてたんだろ?」

俺は本当の気持ちを悟られないために穏やかな表情でティアナの頭を撫でる。

……我ながら最低だな。

でも、どっちにしても泣きそうな顔でこの後の自己紹介をする訳にもいかない。

「はい、私にとってラーナさんは大事な友達でしたから。」

「そうだな。…さて、いつまでもしょげてるとラーナに笑われちまう。それに、ライトニングの隊員二人はまだ俺たちより経験が浅い。俺だけじゃなくてお前ら二人も先輩にあたる。だから、気持ちを切り換えて頑張ろうぜ!」

潤んだ目から涙を拭いたティアナの顔は元のキリッとしたいい顔になった。

スバルもそんなティアナを見ていつもの明るい表情に戻る。

「「はい!」」

うん、いい返事だ!


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