DRAMAtical Murder

□First
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ある日、昼寝をしていた時。

「そういや紅雀」

「何だ?」

「この前さ、男は初めてかって聞いた事あるじゃん。」

「あぁ、それがどうかしたのか…?」

「えっと、その…キ、キスならしたことある。」

「………女か?」

「だから男!!」

その時、紅雀の後ろから黒いオーラみたいなのが見えたような気がした。


「ほぉ、そいつは誰だ?怒らないから言ってみろ。」

シンとした部屋に、紅雀の声はよく透った。


「…ノイズ」

ぶわッ…
黒い何かが広がったような気がした。

「こ、紅雀?」

「そーか、そーかアイツか」

紅雀がものすごい笑顔で笑っている。

だが、目が笑っていない。

その顔を見ると、背中がゾワワとした。

「そりゃ、アイツに礼を言っておかねぇとなぁ?俺の蒼葉が世話になったてな。」

長年の付き合いで分かる。

この顔は悪いことを考えている顔だ。

しかも、俺のとかサラリと恥ずかしいことを言いやがる。

「な、何言ってんだよ!だいたい大人なんだからっ…ん」

大人なんだからキスなんて対した事じゃないだろ。

と言おうとした瞬間、強引に唇を塞がれた。

「つかよ、何で今になって言う気になったんだよ?」


「・・・・・・・・・。」

「蒼葉。」

紅雀が耳元で囁く。

そんな声出すなよ、言うのが恥ずかしくなるだろ。

「お前と・・こ…恋人、同士になったんだから、い…一応言っとこうと思って。」

自分から言い出した事なのに、顔の温度がジワジワと上昇していく。

「フ、ハハハ」

紅雀が堪えていたような笑い声を上げた。

「な、何だよ」

笑われた事に若干腹が立ち、少しきつめに言い返してやった。

「蒼葉、顔真っ赤。そんな可愛い顔してると、襲っちまうぜ?」


「・・・・・・!」

「でも、言ってくれてありがとな。」

チュ…。

今度は触れるだけのキスをして、そっと舌が入ってきた。

「ん、ふぁ…、紅雀好きだよ。」
「あぁ、俺も蒼葉が大好きだぜ。」

どこまでキザなんだよコイツは…
なんて思いながら、俺はまた夢の中へ落ちていった。




後日談・・・

「・・・お前って何人の女と付き合ったんだ?」

「え?そりゃまぁ、数え切れないほど…」

ボコッ!!

「あっそ」

「あ、蒼葉ー…」





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