DRAMAtical Murder

□夏の言葉
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リーン、リーン…

夜になると暑さが軽くなり、窓を開けると風鈴の音と共に、涼しい風が吹いてくる。

「ふぅ、涼しいなぁ」

ベランダに座り風に当たるのは、とても気持ちが良い。

「蓮もこっち来いよ」

ベッドの上で雑誌を読んでいた蓮を、ベランダの方へと呼んだ。

「あぁ、今行く」

ベッドから起き上がり、蒼葉の隣へ座る。

「確か今日ってどっかで花火大会なかったっけ?」

「そういえば、通りに出たとき子ども達がそんな話をしていた」

「こっから見えるといいな!」

こんなことを言っていると、近くからドンと大きな音がした。

「きれいだな、蓮」

音の鳴っている方を見ると、目の前一面に色とりどりの花火が上がっている。

「あぁ、きれいだ」

しばらくの間二人は、目の前花火に見入っていた。

だか、蓮が落ち着きがないことに気付いた蒼葉は

「どうした?」

と、聞くと視線をそらしながら応えた。

「え、あ、いや今きれいって言ったが、蒼葉の方がもっときれいだ」

瞬間思考がショートしそうななったが、辛うじて声をだした。

「なっ、急に何言ってんだよ…恥ずかしいだろ…っ」

急に顔を引き寄せられ

「きれいだ」

今度は視線を合わせて言われた。

「…蓮ってたまに大胆だよな」

「嫌か?」

蒼葉には、垂れ下がった耳と尻尾が見えた気がした。

「全然そんなとこが好きだよ」

どっちも負けないくらい顔が赤い。

「来年も一緒に見ような」

「あぁ、約束だ」


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